第7話

職人達との話し合いはすんなりと終わった。来てくれた職人達も直ぐにオセロにハマったらしくぜひ関わらせて欲しいと言ってくれた。


作る物は単純なので直ぐに量産は出来るそうでひとまず1週間で1000セットを用意する事でまとまった。


また今回の話し合いにはアルフォート様がひいきにしている商会の人も来ており販売に関してもスムーズに話がまとまった。


またオセロの売上の2割が発案者のオレに支払われるそうで晴れてオレも不労所得者の一員になった。


そして日が変わり今日からバースさんとの勉強が始まった。


ーアルフォート領 城内 談吾の部屋ー


「それでは今日から色々勉強をしてもらうのですがまずはこの世界の歴史や常識なんかを教えようと思います。

魔法や戦闘訓練は後です。

今の所、談吾さんの生活に戦闘が必要な場面がありませんしまずは知識をしっかりと付けて生活に支障が出ないようにしましょう。


「分かりました。アルフォート様のおかげで生活出来ていますが今後どうなるかわかりませんし、この世界は現状、平和なようですので優先順位を考えると妥当だと思います。」


バースさんはオレの受け答えに満足したのか1つ頷き、パンッと手を叩いた。

「それでは早速始めましょう!」


「まずは歴史のお話しましょう。

この世界は創造神 ゴルド様とお付の天使様4人により作られたとされています。

ただこの話はおとぎ話の類でして正直世界の創造なんて事、人間には理解できないですしよくわかりません。」


「国の歴史についてはこの間少しお話しましたが3代前の世代、約200年ほど前までは大国が5つと小国郡がありましたが転生者を死なせた事により神の怒りを買い大国が1つ消滅しました。ちなみにこの出来事は『神が起こす災害 神災しんさい』と呼ばれています。」

「なので現在は転生者により発展した大国が4つあります。

1つ目が 『ツデロ皇国』世界地図だと北方に位置し転生者の出現回数が1番多く現代も1名転生者がいる。

2つ目が僕達がいる『ブルベン王国』世界地図だと西方に位置し転生者の出現回数が2番に多く現代は談吾様が出現してくれた事で2名の転生者がいる。

3つ目が『ダカメ帝国』世界地図だと東方に位置し転生者の出現回数は3番目に多いがブルベン王国とは僅差で神災の前までライバル関係でよく小競り合いをしていたそうです。

現代は転生者はいません。

4つ目が『ルビーカ島』世界地図だと南方に位置する島国です。元々は島国ではなく神災で国が消滅した事で大陸から切り離されてしまった結果、島国になったそうです。

転生者の発生数は4ヶ国の中だと1番少なく島国となってからは独自の発展をした国です。現代は1名転生者がいます。

ここまでで何かご質問はありますか?」


「その神災ってので消滅した国はなんて言う国なんですか?後、小国郡には転生者はいないのでしょうか?」


「消滅した国はモカリナ国と言い神災前までは転生者の発生数は4番目でしたが他国に戦争を仕掛け沢山の転生者を奪っていた事で国としては当時1番発展していた国です。

次に小国郡とは転生者が発生した事のない所や大昔に1回だけとかで国としての発展がかなり遅れている国々です。

小国は神災前までは国の領土拡大を目的に大国にどんどん潰されたり属国化して行ったのですが神災後はそういう事もなくなり自国を発展させる事と神災を受けない事に重きが置かれ情報が外に出なくなり4ヶ国との差が開いています。ちなみに小国郡に現代転生者がいるかは全くの不明です。

そもそも神災後の小国郡の動向はハッキリとは分かっていません。大国の4ヶ国とも自国の事ばかりで小国を気にかける気がないのが原因です。」


ふーんこの世界は良くも悪くも転生者の力がありきで物事が動く感じなんだなぁそれにモカリナ国の神災でビビりまくって下手な事はしないようになった為に外部の情報が少ない

平和なのはいい事だがその平和もちょっと歪なものだな。


「とりあえずこの世界の歴史や国の事はわかりました。

素朴な疑問なんですが神災後は国同士のいざこざは全くなくなったんですか?

それこそダカメ帝国とはライバル関係だったのでしょう?いくら神災が怖いとは言え転生者に手を出さなければ良いだけで他にも色々と出来そうだと思うんですが?」


話を聞く限り神災は転生者に直接害を食わえなければなんともない事だと思える。

それに今回オレがブルベン王国に現れた事で転生者が2人になった訳でそれが知れれば今1人も転生者がいなくてライバル関係のダカメ帝国は相当面白く無いはずだ。

何か嫌がらせくらいはしてきてもおかしくはない。


「確かに談吾さんの言う通り転生者に何もしなければいいと思うかも知れませんがそれでも違う事をして結果的には転生者に不利益が掛かる事が怖い訳で神災後は小競り合いすらもなくなりました。ただ…」

バースさんは少し間を開けて


「今回、談吾さんが現れ王国に転生者が2人いる事と帝国に転生者が居ない事をを考えると何かあってもおかしくないと僕は思っています。

歴史的には同じ国に複数の転生者がいた事はもちろんありましたが神災後はこれが初めてです、しかも帝国は神災後、割とすぐに自国の転生者が亡くなっておりその後は転生者がいません。ましてやアルフォート領は帝国に1番近いですから奪われたと勘違いしても違和感ありません。」


「バースさん、オレはこのまま王国に居ていいのでしょうか?神災と言う抑止力があるとは言え200年続いた平和をオレが壊す事になるのは嫌です。それなら今からでも帝国に行った方がいいのではないですか?」


「そんな事はないぞ!談吾!」


「アルフォート様!」


声のする方を見るとアルフォート様が部屋のドア開け立っていた。

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