第20話 その後…

小生の傷は出血はそれなりだったが

予想通り脂肪のお陰で臓器に刃物が届くほどではなかった。


傷が軽症だとわかると警察から事情聴取をされた。


実は小生は小学校6年の時に同じ事件を起こしている。

攫われたなっちゃんを追いかけ、

穢されそうになっていたなっちゃんの泣き顔を見た瞬間に我を失い…

気づいたら小生は体中血まみれで顔に大きな傷も負っていて

攫っていた当時高校生の男達は重症を負っていたらしい。

その男達の当時のリーダーも鮫島兄であった。


その時は小生は14歳以下、且つ鮫島兄が高校生でも 恐喝、婦女暴行、誘拐 等を

複数件起こしており、情状酌量の余地ありという事で暴行の罪は問われなかった。


ただ…人の噂とは勝手なもの…いくら何でもやり過ぎでは?末恐ろしい等…

小生の悪意ある噂は広まった…


又、大好きだった相撲を暴力で使ってしまった事が

自分自身でどうしても許せなくて小生は相撲を辞める事にした。

それは誰のせいでもない、自分の中でのけじめだった…


今回は17歳…流石に…厳しいでござろうな…


結果から言うと小生はまたしても罪に問われなかった。

小生は17歳ではあったものの、

相手は恐喝、婦女暴行、誘拐 等を相変らず複数件起こしていた成人の凶悪犯罪者、

しかも再犯 

且つ 刃物を刺された事による正当防衛 

且つ 攫われた白石さんの証言     

等々様々な要因で事なきを得た…


主犯 鮫島 明人 は実刑10年

弟の 鮫島 博  は学園を退学、少年院2年の実刑

その他の部下たちも 実刑3~5年 

という結果となるがそれは先のお話


・・・


入院して一週間後…

如月さん、なっちゃん、白石さんがお見舞いに来てくれた。


「…き、桐生…いや…勝君…本当に…ありがとう…」


「とんでもないでござる…

 白石さん…大きなケガはないと聞いていたでござる…

 精神的な傷は…中々癒えないだろうけど…

 とりあえず今は元気そうで何よりでござる…」


「…今回の事だけじゃないんだ…」


「え?」


『『 5年前…あの時も助けてくれてありがとうございました。 』』


「え!?」


「3人で話合ったら…何の因果か…5年前の事件の攫われた女の子達が

 私達だったって事が分かったんだ…」


「なっ!?そ…そうでござったのか!!!」


「…正直…なっちゃんを追いかけて…なっちゃんが傷つけられていたのを見て

 小生…記憶が飛んでしまったので…小生も…

 何が起きたのかとか…

 なっちゃん以外に誰が居たのかとか…

 よく分かってなかったのでござる…

 まさか…あの場に如月さんも白石さんも居たなんて…」


「それでも…それでもお前が…私達を救ってくれたのは間違いない…」


『『 だから…改めて言いたい事があるの… 』』


「旦那様…あの時は本当にありがとうございました…

 あの時から…遥は…貴方をお慕い申し上げております!!!」


「私も…マー君に助けてもらったから今がある…本当に感謝している…

 ただ…私は幼稚園の時からマー君が好きだったよ♪

 そして…あの事件で助けてもらってから…

 より一層…マー君以外の事が考えられなくなったの…

 誰もよりも…マー君が好きだよ♪」


「私は…あの時と今回…2回も助けてもらった。

 感謝しかない…

 私は…恥ずかしながら…あの時穢されてしまったとずっと思いこんでいた…

 自分の中で気絶して記憶がないから…ひょっとしたらそうではないかもしれない…

 けど…確認するのが怖くて…母さんにも何も聞けなかった…

 勝君があの時も助けてくれた事も…母から聞いて初めて分かった…」


「それでね…勝君…」


ん!?その声色と雰囲気を察した時に如月と成瀬は何となく分かってしまった。

…ライバルが増えてしまった…

ただ…あんな経験をしてしまった以上…

勝の事を好きになるのは痛いほど分かるし…

認めざるを得ないとも思っていた…


「私は穢されてしまった…そう思い込んでいたから…

 これまでこんなんだけど男性不信が強かったし、

 恋なんてできないと思い込んでいた…

 でも昨日母さんから勝君の事聞いて…胸がドキドキして…

 気づいたんだ…

 私も…勝君の事…好きです!!!私にもチャンスを下さい!!!」


「へっ!?」


小生の学園生活は…今後どうなるのだろうか…?


第一章 完


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第一章 お読み頂きありがとうございました。


第二章はいよいよラブコメ展開を本格的に書きたいと考えていますが

少し休憩して内容とか長さは評価次第で匙加減を決めたいと思います。


なので、面白いと感じてくれたら ★ や ♡ 頂けると

意欲にも繋がるので大変ありがたいです。


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