第2話 可愛い女の子は、少しくらい嘘があった方がいい。

「特に女子に人気ですからね。」


「いや、そんなわけないだろ。

だとしたら、俺に今まで彼女が1人もいないのが、おかしいだろ。」


「それは、女子の邪魔のしあいで進展しないんですよ。」


最もらしい理由だが、そんな事を信じられる程、自惚れていない。


「そんなわけないだろ、人気者って言うのは、葉山みたいのを言うんだよ。」


葉山は葉山秀一と言い、茶髪のマッシュに白い肌のイケメンで、うちのバスケ部のエースであり、彼女がコロコロ変わるくらいモテている。


「あの人は自分のファンクラブの狂信者と付き合ってるだけで、他の女子には、白い目で見られてますよ。」


そこに神宮寺が追い打ちをかけた。


「それと、男子には性格が悪くて嫌われています。あの人の近くにいる、男はおこぼれ狙いの人ですよ。」


なんだか、リアル感があり納得してしまった。


「あっでも、順平先輩は人気者なので、

ファンクラブと親衛隊には気を付けてください。」


「ファンクラブに親衛隊?」


全く何を言っているのかが分からない。


「そうですよ〜。

ファンクラブは熱烈に順平先輩との交際を目指す集団で、

親衛隊は順平先輩の幸せを願って守ろうする集団です。

あと、この2つの集団はバッチバチに闘ってます。目的が反対に近いですからね。」


そして、急に神宮寺は不安な顔になった。


「だから、私、これがバレたらファンクラブからは命を狙われて、親衛隊からも順平先輩を悲しませたら即、命を狙われます。」


「はぁ」

信じられなかった。


「あ〜、信じてませんね。」


と、ぷりぷり怒る神宮寺。

まぁ、でもそれが正しかったとしても。


「まぁ、その時は可愛い後輩を助けるから大丈夫だよ。」


「む〜〜、順平先輩

後輩じゃなくて、彼女ですよ〜。」


「そうだな(笑)」


なんだか、神宮寺が可愛くて、可笑しくて

笑ってしまった。


「なんで、笑ってるんですか?」


「いや、なんでだろうな?」


つい、後輩‥‥いや、彼女の頭を撫でてしまった。


「え、」

その言葉と同時に嬉しそうな神宮寺。


そして、素直に神宮寺と一緒にいたいと思った俺。

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