愛の抱擁

川合恋矢

第1話 出逢い

 爽やかな秋空、優しい日の光が入り込む。

『今日も学校めんどくさい、さぼろうかな?』そんなことを考えながら支度をし高校へ向かう。

高校は男女共学だが校舎がそれぞれ違うため女子とは関りがない。

おかげで僕は高校二年生になった今現在まで初経験はおろか、彼女すらできたことがない。『ほかの高校に言ったやつらのインスタにはいつも彼女とのデートが投稿されているのになんなんだこの差は。』そんなことを思っているうちに気づいたら学校を終え家に帰っていた。いつもと変わりない一日が今日も終えようとしていた。

 鈴虫が鳴き満月が輝いているのを眺めているとき通知が鳴った。

『@natsumi_1130』覚えのない人からのフォローとDMだった。

『金山に住んでるんですか?住み同じなのでよかったら仲良くしてほしいです!』

どうやら僕のプロフィールを見たのだろう。アイコンや投稿から顔は可愛いし話してみることにした。

『はい!こちらこそよろしくお願いします!』

『夏美さんは普段休日何されてるんですか?』

何を送ればいいのか分からなく適当に質問してみた。

『休日はYouTubeを見たり、友達とショッピングとかしてますよ!』

送ってすぐに返信が来た。久しぶりの女子とのやり取りでこれまでにない胸の高鳴りが僕の身体を駆け巡った。

何気ないやり取りを続けていたら気づいたら24時になっていた。寝る時間だ。

『明日も学校だからもう寝るね!明日また話そ?』

『うん!分かった!おやすみ!』

『おやすみ!』

その日の夜は胸の高鳴りのせいで中々寝付けなかった。

この出会いが僕のこれからの運命を左右することになるなどこの時はまだ知る由もなかった。

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