第23話 京都市円山公園内のベルサイユ宮殿?

このエッセイは、私が投稿している小説に関するものです。


投稿している小説の正式なタイトルは「京都市左京区下鴨女子寮へようこそ! 親が毒でも彼氏がクソでも仲間がいれば大丈夫!」です。

以下「(略)下鴨女子寮へようこそ!」としますね。

小説のURLはこちらです→https://kakuyomu.jp/works/16817139555256984196


拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ」、今回から、京都市の円山公園にある「長楽館」という洋館が舞台となります。


この長楽館。今回の冒頭部分の炭川さんの台詞通りの建築です。

「こりゃあ、偽装彼女が必要だわ! 男性が足を踏み入れるにはハードル高すぎ」


長楽館のWebサイトの建築様式についての説明はこちら→https://www.chourakukan.co.jp/chourakukan

拙作の中で登場人物たちも、このサイトを、それぞれのPCやスマホで見ながら、長楽館の華やかさに驚いています。


京都は平安京以来の日本文化の中心で、”わびさび”の雅で風流な和の世界が広がって……とイメージする方が多いと思います。

しかし、拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ」に登場するように、明治維新以降の西洋建築にも見どころがあります。


現在は東京に一極集中していますが、この現象は明治維新で一気にそうなったわけではありません。

京都は確かに東京に首都が移った際にぐっとさびれましたが、その後、日本で初めて電車を走らせるなどある程度盛り返しましたし。

バブル期までは大阪も「商売の都」として、東京に次ぐ存在感があったのです。

(日本を代表する大手企業にも関西発祥のものが多いです。大企業の大阪本社ももっと多かったですしね)。


この長楽館を建てた村井吉兵衛という人も、明治期にたばこの製造販売で大富豪となった人物です。

国家による専売制が始まる前ですね。

この国家による専売制が何故始まったかというと、日露戦争の戦費調達の為だったそうです。

この専売制開始の際、村井吉兵衛は煙草製造販売を手放す代わりに莫大な補償金を手に入れました。

そして煙草以外にも事業を拡大して村井財閥をつくります。

(Wikipedia「村井吉兵衛」 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E4%BA%95%E5%90%89%E5%85%B5%E8%A1%9B)


日露戦争が1904年から1905年にかけてで、長楽館は1909年に出来たそうなので、この時の補償金も関係するかもしれません。


村井吉兵衛関係の建築については、東京にもゆかりの地があります。都立日比谷高校です。

Wikipediaの該当箇所を引用しますね。


”山王荘と呼ばれた東京の村井邸は、現在東京都立日比谷高等学校が建っている地にあった。村井財閥の破綻後、敷地は府立学校用地として東京府にに売却されたが、邸の門は同校の正門として、美術品倉庫は同校資料館として遺っている”


京都の長楽館は、迎賓館として立てられたものです。

伊藤博文や西園寺公望などが訪れていたとか。


建築家はガーディナーという人で、立教大学の校舎を設計した人だそうです。

京都にも「聖アグネス教会」が残っています。御所の西隣にある、良く目立つ建物です。

立教大学で校長・教員を務めた方で、教会を設計することが多かったようです。

「聖アグネス教会」や、他の作例の写真からすると、わりと真面目な建築をする方のようで……長楽館のように豪華絢爛な建物はちょっと作品としては異例なんじゃないかと思われます。


そう、長楽館はとにかく華やか!

そして色んな建築様式が使われています。


拙作「(略)下鴨女子寮へようこそ」での台詞を引用しておきます。


” 由梨さんは自分のスマホで長楽館のサイトを見ている。

「えーっと。外観と一階の広間はルネサンス風で、玄関ポーチがイオニア式。内部に張り出したバルコニーはアメリカ風。そして、客間がロココ、食堂は新古典主義、中国風や和室の部屋もある……。色んな様式を使ってるのね」”


この贅を尽くし、伝統的な建築様式を使い倒した長楽館は、現在カフェやレストラン、ホテルとなっています。

私もアフタヌーンティーをいただきに、ロココの間に入りました!


もともとは村井吉兵衛(男性)が建てて、男性の名士をもてなすための迎賓館ですから、そんなに武田氏も身構える必要はないはずですが。


これも拙作で書きましたように、長楽館といえば「京都でアフタヌーン・ティーならココ!」と乙女たちの人気スポットです。

シフォンスカートにリボンを飾るような女性たちが列をなすようなお店であり……まあ、男性には入りづらい雰囲気ですねえ。


特にロココの間はウェブサイトにある通り、まさにベルサイユ宮殿のような趣です。

日本に現存するロココ建築でも最大級だとされています。

理系で女っ気のない武田氏……「場違い」ですね……。

実際。私は長楽館のアフタヌーンティーに男性の家族と一緒に行ったんですが、まあ浮きまくってましたw


この時の写真を近況ノートに掲載しています。私がムチャクチャご満悦でございますw

https://kakuyomu.jp/users/washusatomi/news/16817330649034051880


私が行った時も予約を入れたので行列に並ばなくて済みましたが、アフタヌーンティーが始まるまではロビーで待つ必要がありました。


カウンターに黒服の30代くらいの男性がいて、「写真撮影していいですか?」「もちろんでございます」とのやり取りをしたのは実話ですw

もう、バッシャバシャ取りまくってきました!


建築様式も華麗ですが、ステンドグラスや洗面スペースなど細部も凝ったデザインです。

女性や、女性のパートナーのいる男性のみなさん。機会があれば是非ご覧になってみてください。


女性のパートナーのいない男性は……誰かに偽装彼女を引き受けてもらいましょうw!


武田氏は無事に長楽館の内部を見学することが出来ました。

どうやら次は京都国際マンガミュージアムにお出かけするようです。


その前にもう1話、この長楽館の帰りのエピソードが入ります。


偽装彼氏と偽装彼女。

美希と武田氏がこれからどうなっていくのか。最後までお読みいただけましたら嬉しいです!








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