俺は右の道を進んだ。


休憩したい。だがここで座ってしまえば横なりたいと思うに違いない。横になったら寝たくなるぐらい疲れている。こんな森の中寝ればもちろん、魔物の餌食だろう。

俺は腹が減っていて何か食いたいんだ。魔物も人間を食いたいだろうが、俺はもっと宿の食事を食いたい。


心なしか前の木々の隙間の暗がりが薄いように思う。

こうなったら魔女でもなんでもいい。開けている場所に出れば村に戻ることができるかもしれない。

そう思って最後の力を振り絞って歩調を速めた。どんどん明るくなってくる。


そして森を抜けた!


「!」


あるはずの地面がない!

勢いあまって万歳をするような姿勢で、俺は崖に飛び込んでしまった。


空。

森。

地面。

岩。


目の前の景色が次々変わる。怖くなって目をつぶったが……


― 終 ―


A.寒村に戻る

https://kakuyomu.jp/works/16817139556996976710/episodes/16817139556997093263

B.マイページに戻る

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