第26話 Sなクライブ

「エリザ、あなたという人は……、胸をお出しなさい」


 彼に無理やり、ベッドに寝かされた私は、彼に命令されてしまう。私は彼に弱みを握られてるから逆らっちゃダメなんだよ。


 彼に見られてる。脅されてるのに私、怖いはずなのになぜか喜んでる。エッチな気分になってる、わたしの顔が熱くなって、胸をどきどきさせながら、ゆっくりと光のドレスの上部を肩から下へと降ろしていく。私の上半身がブラだけになった。


 クライブはこめかみを抑えながら、私の胸を冷静な目で見ていた。


 わたし……、クライブに胸を見られてる。わたし……、嫌なはずなのに、アソコが少し濡れて喜んじゃってる。


「僕は胸を見せろと言ったんだが」


 それって、まさか、ブラも、そうだよね、クライブは私の胸が見たいんだよね。


 背中のホックを外して、彼に胸をさらけだした。そして私は恐る恐る彼の目を見た。彼の目が私の胸を凝視している。そこでクライブと目があってしまう。クライブはそれが気に障ったのか。


「なんだ、そのだらしない胸は? 」


 クライブの手が私のさらけだした胸へと手を伸ばし、強く鷲掴みにした。


さらにそれだけでは終わらなかった、彼は人差し指と中指を使って私の尖ってしまったあそこを強く挟み込んだのだった。


 私はその刺激と快感がたまらなくて、もう我慢できなくって、


「やぁっ」


 と思わず声をあげてしまう。


「なんだ、感じているのか」


「クライブ、……おねがい、……やさしく、……して」


「ああ、優しくしてやるよ、今度はこれを使ってな」


 彼がロープを手に取って私を……

 


★★


 いつの間にか馬車で居眠りしてしまった私はクライブにしつけられている夢を見ていた。


「……やさしく、……して……クライブ、ダメ、……あんっ、イタイ、ロープでなんて……はげしすぎる」


 時々私は無意識に寝言のようなものを口に出していた。


「さ、さっきから、なんて寝言をいっているんだ!! キミは!!」


 アリスは軽蔑した目でクライブを見ていた。


「クライブは変態さんだったんですね」


 アリスの言葉を聞いたクライブは慌てて言葉に出して否定した。


「違う、僕はそんなこと、一切していない、おい起きるんだ!!」


 私を起こそうとするクライブをアリスが牽制する。


「あの、こっちに近寄らないでくれませんか? しっ、しっ!!」


「僕は、無実だ!!」


★★★


「ふあぁ~、寝ちゃった。クライブ、どうしたの、疲れてるようだけど」


「君のせいで、精神的に疲れているんだ」


「あの、おねぇさまはまだ学生ですから、それに今の時期に妊娠されると、こちらとしては、とっても困りますので避妊はきちんとしてくださいね」


「はい? 妊娠、誰が? ねぇ、クライブ?」


「もう、黙ってててくれないかな、これ以上、誤解されると話しにならない」


「えっ、えええっ?」


 クライブのこめかみに血管が浮き出ている。クライブさん、どうしてお怒りになっておられるのですか、私、あなたに、なにかしてしまいましたか。


 引き続き馬車でゆったりと景色を楽しんでいたら、巨大なザリガニが道を遮るかのように立っていた。対して、そのザリガニの側には前髪を隠した黒髪の少女がそのザリガニにダガーを向けて戦闘態勢をとっていた。あのモンスターは、まさか……、私は縮地スキルを発動し馬車から飛び出した。


 そして、巨大なザリガニの爪が黒髪の少女に振り下ろされようとしていた。

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