異世界転生することになったから女神に最強にしてくれって言ったけど究極オークにするのは違えだろ!!!

閉ざされた冷蔵庫

1話 「違う、そうじゃない」

 俺、内藤蓮ないとう れんは高校二年の野球部。

 彼女はいないが部活の仲間とバカをやりながら青春を謳歌していた。

 ある日、超高校級のナイスバデイを持つ女の子がマネージャーとしてやって来た。

 その子が動くたびムラムラしてくるほどだ。

 健全な男子高校生なら正常な症状だろ。


 その日は気温が40度を超え、部活も朝から晩ヘトヘトどころじゃない。

 俺は忘れ物をしたから部室に行くとそこには有り得ない物があった。

 超高校級のブラジャーだ。

 なぜ、こんな物が我らが部室にあるのか。

 そんなことはどうでもいい。

 俺はたわわに揺れるものを包んでいた布に我慢できず、匂いを嗅ぎながら一人でし始めた。

 なんて!! いい匂いなんだ!

 最高に気持ちよかった。


 もうすぐでイケそうなときにガラガラとドアを引く音がする。

 振り返ると、布の持ち主がいた。

 終わった……

 誰もがそう思うだろうだが、俺の右手は止まらなかった。

 もう終わってもいい、ありったけを今ここで !


 マネージャーのとんでもない悲鳴と共にフィニッシュを遂げた。

 あまりの快楽に立ち眩みを起こし、意識を失った。



「お~い、起きてくださ~い、お~い」

 柔らかい声が聞こえ、目を開ける。

 目の前に爆乳おっとり系の美女がいた。


 俺は辺りを見回すが何もない真っ白な部屋みたいなところにいた。


「やっと~、気づきましたか~ ?」

 爆乳が俺に話しかけてきた。

 ――俺は、確か部室でありったけを放ち気が遠くなったはず。


「あなたは~心臓発作が~起きて~死んでしまいました~」

 なんだかその喋り方にイライラしてきた。

 この爆乳もとい女神が言うにはどうやら俺は所謂テクノブレイクで死んだらしい。

 俺が倒れた後、部員の奴らや監督ありとあらゆる奴にあられもなく見事なまでの醜態を見られたうえに救急車で運ばれ、そのまま心臓麻痺を起こして死んだらしい。

 逆に死んでよかった。

 あのまま生きてたら死ぬよりも恐ろしいことが待っているに違いない。


「そんな~悲しい貴方に~朗報ですよ~ ?」

「あの、その喋り方なんとかなりません?なんかゆったり過ぎてイライラするんすけど。」

「ひどいです~なんで~そん……」

「あーもー! 朗報って何ですか!  早くいってくださいよ !」

「それにしてもあなた早漏でしたね。フフフフ ……」


 なにコイツくそむかつくんだけど、殴っていいかな。

 俺フェミニストだからさ、いいよね ? 女も殴ってこその真の平等だよね !


「早漏のあなたに朗報です!  あなたを今流行りの異世界転生をさしてあげます!」

 最初からそうやって喋れよ。

 あと、早漏いうな!  遅漏よりはいいだろ!


 俺は咳払いをし、尋ねる。

「つまり、異世界で新しい人生が歩めるってことですか?」

「そういうことです。しかも生前の記憶はそのままにあちらでの言語も習得済みなうえにさらに願いを一つだけ叶えます。」


 俺は少し考える。

「なんでもってことは俗にいう俺TUEEEEができるってことですか?」

 生前アニメはよく見ていたから何となくは分かる。


「そうですよ。俺TUEEEEできますよ~」

 ということは下手に変なスキルとか武器じゃなくシンプルなのがいいな。

「じゃあ、究極的に強くしてください。」

「究極的?」

 爆乳はいまいちピンと来てないらしい。

「とにかく、どんな奴よりも強くしてくださいよ。」

「なるほど~わかりました~。」

 ふっ、これで女にモテまくる異世界生活が始まる。


 しゃあっ! なんかテンション上がってきたー!

 人の下着使って死んだ犯罪者みたいな俺にもこんなボーナスがあるなんて!

 くうぅぅ! 神ってのはいるんだな。


「それじゃあ~いきますよ~ビバ! 異世界転生~」

「ビバ! 俺の異世界転生!」


 俺は光に包まれた……


 気が付くと何故かオークがたくさん俺のことをみている。

 えっ⁉ 終わった⁉ 

 村……みたいなとこだな。

 てか、あのバカ乳場所間違えてんじゃん。

 使えねえな、なんて思っていたら。


「ご機嫌どうでしょうか? レン様。」


 一匹のオークが俺の名前を呼ぶ。


「えっあーとなんで名前知ってるんですか?」

 俺は動揺しながら聞く。

「はっ! あなた様は女神殿よりこのオークを導くお方レン様だと伺っております。」


 てことはあのバカ乳が説明したのか。

 ん? いや、ちょっと待てよ。

 今なんて言った?

 オークを導く? オレが? なんでなんのために?


 ため息をつきながら顔に手を当てる。

 なんか手ごつくね?

 それになんだこの感触は?


 鼻の位置に平べったい感触があり、手の端には丸みを帯びた固い何かを感じる。


 手をみると肌の色は褐色で指も太くデカい。

 明らかに人間の手じゃない。


 ちょっと待てよ。

 嘘だろ?

 もしかして……


「あのさ、鏡とかある?」

 俺はオークに鏡を持ってこさせ、恐る恐る鏡の前に立ち、目を開ける。

 俺は絶望した。

 だって、オークなんだもん。


「レン様、女神殿からお手紙をお預かりしていました。」

 手紙を渡してきた。

 俺は急いで中を確認する。

 内容は。


 蓮く~ん、異世界はどうですか~? 楽しんでますか~? 蓮君の要望通りに究極的に強い種族オークのさらに上の究極アルティメットオークに転生させときましたよ~。これで楽々異世界オーク生を堪能できますね~。

 それじゃ、ビバ! 異世界転生~!

 ps・早漏から遅漏に変えときました。ファイト!


 違〇違〇そうじゃ、そうじゃない。

 えっなにどういうこと?

 あいつ、胸だけじゃなくて脳もバカなのか?

 はいはいはい。

 確かに言いました! 言いましたよ! 究極的に強くしてくれって。

 けど、それってさ人間を維持したまま強くってことであってオークで強かったら、そんなん意味ないじゃん!

 強いのいらないから人間がよかった!!!!!!

 オークの時点でマイナス100だよ!!!

 あとなんだよ! 究極アルティメットオークって聞いたことねぇよ!

 こんなことになるんだったらもっと考えたのに!

 てか、アイツ俺の息子も異世界転生させてんの⁉

 なんなら息子のほうが異世界転生成功だよ! 大成功だよ!


 ダメだ……

 頭痛くなってきた。

 とりあえず、あのくそバカ乳は確実に殺す。

 てか、オークでどうやって生きていけばいいんだ?



 こうして、俺の波乱場な異世界生活が始まった。








第一話を読んでいただきありがとうございます。




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