日常を変える。革命の物語

冒頭の5話を読んだのですがとても面白いです。
一日一時間しか働かない美女で、仕事が出来るカナメさんがとても魅力的です。
多くを語らずスムーズに物語に没入させてきます。
謎は物語にとって原動力になりますがたった5話で多くの疑問が描かれます。
何と彼女の正体は……。
読者のみなさんの眼で確かめてみてください。
主人公は仕事が上手くいかず落ち込んでいる平均的な女性。
スタイルも良くないようです。
しかしそのことが誰でも誰かよりは劣っているし、優れているところもあるという真理を書いているような気がします。
つまり読者の代表のような存在。
つまりワトソン役と言えます。
ですが彼女の視点で見る世界は変わらない日常にうんざりしている読者そのものです。
この書き方は王道でありながらとても上手だと感じました。
カナメさんが語り手だとここまで面白くはならなかったでしょう。
つまり謎というのはどこにでも転がっているということですね。
少しファンタジーですが現代社会の問題を浮き彫りに出来る設定なのでどうなるのか楽しみです。社会の暗部を突きつけるこの小説を読んでみてはいかがでしょうか。