第17話 大きい花火になれますか?〜もう一度だけチャンスを〜

『メール受信』




私の携帯画面に一通のメールが届く。



♪♪〜


『久しぶり。みずきり ゆうやです』




ドキッ



「…祐…哉…?」





♪♪〜


『今の連絡先。良かったら返事下さい。待ってます』






✕✕✕✕✕✕✕✕✕


『久しぶりだね。急にどうしたの?』



「……違う…」




♪〜


『久しぶりだね。登録しておきます』





久しぶりのメール


正直嬉しかった




―――― でも ――――





ブレーキをかけてる自分がいた



ねえ 祐哉……



私にとって


祐哉への想いは



とても とても


大きくて仕方がない



今度は 


あなたが


私の花火になってくれますか……?






♪〜


『今度は……』

『あなたが私の花火になって下さい』






「…友霞…」







♪〜


『…私は…』     




『あなたが…』

        



『好きです……』









勇気を出して


自分の心の想いを


メールに託した……








♪♪〜


『友霞の花火は…』



『俺の中では、いつでも大きい花火のまま…』



『俺の中ではずっと輝いてた』



『…俺と…付き合って下さい』






要約 彼女を手に入れる事が出来た


そして


本当の俺達の付き合いが始まった






♪…君が好き…花火のように焼きついて…忘れたくても忘れられない…♪





これは、あるアーティストのワンフレーズの曲だ。





今の俺の想いに


なんとなく似てる部分がある


別に彼女を嫌いになったわけじゃないから


いつでも迎え入れられるように


チャンスを逃さないようにと……




彼女は知らないだろうけど


ずっと待っていた甲斐があったと


俺は…


そう思った……









俺はいても立っても居られず





「はーい」




ガチャ



彼女のマンションに行った。





「祐……っ」




キスをした状態で部屋に入る。




唇が離れる。



「祐哉…突然すぎるよ…」


「仕方ねーじゃん!会いたくて仕方がなかったんだから!」




ドキン…



「祐哉…」



私は祐哉に抱きついた。



「友霞…」


「何…?」




祐哉は再びキスをする。


俺は彼女を玄関のドアを背にキスを繰り返す。



唇が離れる。



「キスだけじゃ物足りない」

「えっ?」

「だけど…友霞の事は大事だから我慢する」

「祐哉…あがってく?」

「そのつもり。だけど、約束する。何もしないって」

「分かった」



私達は二人の時間を過ごした。







それから一ヶ月、一ヶ月と過ぎていき―――――




「祐哉…おかしくない?この格好」

「大丈夫!」

「本当?」


「本当。つーか、オシャレしなくても友霞は美人なんだから」


「美人と思うなら、変な格好出来ないじゃん!」


「ありのままの友霞がいいんだよ!つーかさ…友霞は美人なんだから注目されるから俺が妬くから駄目!」




ドキッ



「祐哉…」




グイッと抱きしめるとキスをされた。




「俺、独占欲強いから友霞を連れて歩くと嫌なんだよ!俺の女なのに、みーんな友霞、見るから!」


「だったら、祐哉もカッコイイから相応しい格好しておかなきゃ。お互い見られてもおかしくないカップルがいいでしょう?」


「…そうだけど…見られてなんぼだし…」




イジケ気味の祐哉が可愛く見える。



私はつい、頭を撫でたくなり、ヨシヨシした。



頭から手を離す。


グイッと掴まれ、キスされた。



「撫でられるのは嫌じゃないけど年下だからってガキ(子供)扱いすんなよな。友霞」




ドキッ


たまにこんな姿を見ると私の胸がざわつく。




子供扱いしているわけじゃないないけど


祐哉は大人なんだって……



自分も勉強になる部分があったりする


祐哉は私よりも大人なのかもしれない……




私達は出かける。




「祐哉…ゴメンね…」

「えっ?なんで謝んの?」


「いや…私…年下と付き合った事ないから…なんか祐哉…嫌な思いさせてたら…」


「大丈夫。友霞だから許す。嫌なら嫌って言うし、友霞は、そのままでいいから。お互い色々な部分を知って付き合っていかなきゃなんねーのが恋愛じゃん!気にしなくていいって」


「…祐哉…」




頭をポンポンとする祐哉。



「お互い色々な部分見て一緒に成長しよう!俺の中では最初で最後の女でありたいから」




ドキン



「…私も…そうでありたい…」


「だったら尚更、もっとラブラブしながら仲良くしよ♪ト・モ・カ♪」


「…そうだね…」



「おっ♪共感してくれた♪やっぱ、俺達は運命だな♪」

「…運命…?…そうかもね…」

「絶対ないって思ってるっしょ?」


「ううん!大丈夫だよ!だって…当てはまる事…ありすぎて…祐哉は…いつも私の傍にいてくれて…元気づけてくれてた…」


「…じゃあ…これからは…もっと一緒にいる時間増やそうぜ!」


「うん…」




私達はデートを楽しむ。




「友霞…家、来ない?」

「えっ?あ…うん…行っていい?」

「もちろん!大歓迎!」




私は祐哉の部屋に行くのだった。





「祐哉…」

「何?」

「…ううん…何でもない…」



私は祐哉の肩に凭れかかる。


お酒が入って、ほろ酔い気分だ。




「友霞?」

「…ゴメン…頭が…ボーッとしてきた」

「泊まれば?」

「うん…」

「ベッドにどうぞ」

「ううん…大丈夫だよ…」

「大丈夫じゃねーし」




グイッと私を立ち上がらせ、私を抱きかかえ、お姫様抱っこするとベッドに乗せた。



「おやすみ」と、頭を撫でる祐哉。



そして、私は離れる祐哉を引き止める。




「友霞…?」



私は祐哉を、ベッドに引き摺り込ませる。




「うわっ!」




ドサッ

そして、私は祐哉に抱きつく。





「一緒に寝よう♪」



「……………………」




グイッと両手を掴むと、私の上に体重がかかる。




ドキン…




「友霞…俺達、付き合ってんのに、この状況に誘い込む事、分かってる?」




私は覚悟の上で、祐哉の首に腕を回す。




「…良いよ…」



そう言う私に、キスをする祐哉。


一旦、唇か離れ、再びキスをされ、深いキスをされる。


首スジに唇が這う中、吐息が洩れる。





「ズル過ぎ……でも…今日は、お預け。大人しく寝ろ!」


「…寝ろって……」



クスクス笑う祐哉。



「俺も飲んでるから、お酒が入ってない時に愛し合いたいてーの!」




ドキッ



「相思相愛の仲でも…そこはきちんとしたいから譲れない」



私は祐哉にキスをした。



「…分かった…」

「…おやすみ…友霞…」



祐哉はキスをすると、私が眠りにつくまで一緒の布団で寝てくれていた。





次の日――――




「おはよう」と、祐哉。

「おはよう…」

「恋人同士なのに…何もない夜も…淋しいよな~」

「えっ?何それ!じゃあHすれば……」




キスされた。



「嘘だよ。楽しみはとっておかなきゃ!昨日の夜、言った事は嘘じゃねーから…身体の関係だけが愛じゃないっしょ?」



「祐哉…」



「俺は、そんなつもりは一切ないから。友霞が好きだからこそ、二人の時間増やして大切にしたいから…もちろん、いつでも友霞には応えられるように接していくつもりでいるけど…だから…俺の事、嫌いになんなよ!」



私は微笑む。



「ならないよ!祐哉と私は…離れられない運命でしょう?」


「嬉しい事、言ってくれる〜♪」




私達はキスを交わす。


角度を変え、何度も何度も繰り返す。




そして、私達はデートに出掛けた。




「友霞、今年は一緒に花火見に行こうな!」

「うん。ドタキャンと、別れ話はしないでね」


「えっ?いやいや、俺、別れる気ねーから!要約、本気で好きになった女性(ひと)を手に入れたんだし!」



「そう?」


「そう!だから、それまで末永ーーく、仲良く付き合おうぜ!もちろん、その後もずっとな!」


「うん」


「その時は、お腹に子供がいたりして!」


「えっ?」


「なーんて!…でもさ、友霞、28になるんだろ?結婚しろって親とかうるさい時じゃね?」


「あー、うん…まあ…」


「この際、結婚前提で付き合っちゃう?」


「えっ!?」


「俺達、最初で最後の相手でいたいなら、結婚もありじゃね?俺は、全然、構わねーけど?」


「…祐哉…」


「第一、俺、あんたを他の男に渡す気、更々ねーし!」



ドキン



「祐哉…ありがとう!」

「だって、長年の片思いが要約実ったんだぜ」


「そうか…そうなんだね!だったら祐哉に人生預けちゃおうかな?」


「預けて、預けて♪」












  











































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