僕――弓弦モケにとって初めての有観客ライブなのだ

 キャプションに「音楽とは乳首をこねることと見つけたりというお話です」とある通りのお話です。
 悲しい事故で右手の握力を失ってしまったチェロ奏者の主人公と、意識を失ってしまった声楽家だった祖父のお話で、主人公がVtuberとして有観客ライブを行うところからこの話はスタートします。
 ところどころマジでおかしなワードは出てくるのですが、それをものともしないエモの物語。
 めちゃくちゃ良かったです。
 フルトラッキングのVがどうやってライブをしているのかなどの描写がしっかりしていて、祖父の乳首をこねるという飛び道具だけではない奥行のあるのがすばらしいと思います。
 キャッチコピーとキャプションは嘘ではないけれど、決してふざけているわけではないお話でした。

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