空襲下の街

 地下室から外に出ると、街中まちじゅうが火の海でした。空は照明弾と焼夷弾で昼間のように明るく、街の様子が一変していました。

 炎が渦巻き、家が崩れ落ち、火の粉が飛び散る中をただひたすらに、父と母からはぐれないように歩いて逃げました。

 淀屋橋よどやばしまで来た時、美津濃みづのスポーツのビルが激しく燃えていて、窓からは炎と火の粉が舞い、それが私の防空頭巾とリュックサックに燃え移りました。そこで母はそれらを捨てました。

 空を見ると、無数の焼夷弾が赤く燃えながら長い尾を引いて落ちてきて、電線までも炎を上げて燃え広がっていきました。

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