うーん、カレイが食いたい

 春夏秋冬、四季と言えば、折々の旬の味覚ということでしょう。
 主軸は、スーパーに行って、調理して、うまい、食レポ、という構成が四季に合わせて繰り返されるお話です。そこに同僚やらの仕事の存在がささやかに垣間見え、一人の世界に閉じていない広がりを見せていますね。
 表現がとてもうまいです。例えば、カレイの煮付け。

<<箸で背中を割ってやると、雲を裂くような感触で箸が通る。>>

 なるほど! そう表現できるのか! と感心いたしました。
 一方、冬の場面、一人暮らしの男の家にどなたかいらっしゃいますね。仕事納めということから帰省でもしたのかとも考えましたが、会話の様子からすると、親しい友人か恋人のように思えますね。
 牛尾さん、ご参加ありがとうございました。

杜松の実さんの他のおすすめレビュー278