文化祭を舞台にした青春BL

 文化祭の出し物を決める学級会議、いまいち弱気な学級委員を手伝ったところから始まる、恋の物語。

 タグの通りのボーイズラブ、それも高校生同士の甘酸っぱい恋のお話です。
 何がいいってもうとにかく青春! このど直球の思春期っぷり!

 主人公の誠二くんと、学級委員の恒世くん。
 性格は違えどふたりともお互いを思いやれる性格で、そんな彼らが引かれあっていく様子が、文化祭の準備期間を通じて丁寧に描かれています。
 というかもう、この「文化祭の準備期間」というのがいいですよね……やっぱりこういうのですよ学校生活は……。

 色恋のお話、といってもそんなにガツガツしてないのも本作の特徴。
 初々しいというか、どこかたどたどしくすらある子供の恋という趣で、表面上はキラキラした学校生活なんですけど、でもその下で密かに恋の根付いていく様子を想像すると、胸がぎゅっと締め付けられるような気持ちになります。

 そう簡単には表に出すこともできない、腫れ物のような恋心。
 優しく爽やかでありながらも、じんわり切ない手触りを与えてくれる物語でした。