第7話 お出かけです!!



デー…じゃなくて、東藤との出かける当日。

明日どこに食べに行ったら東藤が喜ぶかとか、洋服何着ていこうかとか考えてたらあんまり寝れなかった。


いや、今回に関しては弁解の余地もないほどに楽しみにしてしまっている自分がいる。

まぁ、東藤の“好き”はLikeの好きだと思う。

何回も言ってるかもしれないが、今の高校生はなんでも“可愛い”とか“好き”とか言うからな。


とはいえ、何故か東藤の押しに弱い節がある。

背が小さいからか?

それはさすがに失礼か…。


だとしても解せぬ。



世間一般的にはずるいとか言われそうだが、年齢=恋人いない歴の俺でなおかつ顔面含め外見も平凡以下の俺にあんなになついてくれる子がいるなんてそうそうないからな、後で罰はいくらでも受けるから今だけは許してほしい。

なんてな。




「せーんぱいっ!何か考え事ですか?私が目の前うろうろしても全然気づかないんですもん。」


「いや、まぁ、いろいろな。」


「へぇー。」


「なんだよその顔は。先輩のくせにみたいな顔やめろ。」


「なんでわかったんですか!!」


「顔に思い切り出てるんだよ。」


「ぽーかーふぇいすですよ?」


「どこがだよ。ほら行くぞ。」


「はーい!」




今日はパンケーキにピザに肉にと東藤が食べ物がいいって言うから考えてきたからな。

東藤に食べたいものを聞くと、肉がいいらしいので昼は肉に決まった。


店に向かっている道中、東藤はカップルに見えますかね?とか言っていたが、約30㎝の身長差がある俺らは、残念だがどう見ても兄妹にしか見えないと思う。

まぁ、本人にそれは言わずに適当に流しながらいそいそと店に向かう。



「着いたぞ。」


「ここお肉のお店なんですか?」


「あぁ。シカゴピザっていうのがある店だ。」


「何それー!ピザ!肉!最高ですね!!」


「席が空いているといいんだけど。」



運よくまだ空いている時間帯に来れたようで、店内は空席の方が目立っていた。


注文を済ませ、目の前でそわそわしている東藤をしり目に携帯で次の店を調べる。

次はできればパンケーキ、無理そうだったらパフェかなー。

東藤は果物系が好きだったはずだから、そういう系統の―



「ねぇねぇ先輩、何で携帯いじってるんですか?お話しましょうよー。」


「次の店を調べてる。」


「まだ食べてないのに次の店ですか!?」


「デザート食べたくないのか?」


「!!食べます!ちなみに~、デザートは何ですか?」


「言っていいのか?」


「はっ!ダメです!ダメです!!楽しみにするので言わないでください!!」


「はいはい。」



その後、運ばれてきたピザに対して東藤は“やばい”を連呼し、口に入れた瞬間からは“やば、おいしい”しか発さなくなった。

語彙力どこに置いて来たんだよ。

確かにチーズはこれでもかっていうぐらいのってるし、口に入れた瞬間からチーズが口を占領するから幸せと錯覚するレベルでうまいけど!!

そんなに口に頬張ってると小さいリスみたいだよ。

それを見て少しかわいいとか思った俺はかなり毒されてるな…。



「なにそんなに見てるんですか~?穴開いちゃいますよ?」


「別に。語彙力無くしてすごい勢いで食べるなと思っただけ。」


「なっ!!だって、おいしいんですもん。もう少し落ち着いて食べます…。」


「いや、そのままでいいと思うけど。」


「なんっ、そうやってっ!!もう!全部食べちゃいますからね!?」


「は?意味わかんないし。」




前言撤回

少しでもかわいいと思ってしまった俺の気持ちを返してくれーー!!








-つづく-



読んでいただきありがとうございます(*‘∀‘)

チーズ好きはぜひシカゴピザを!!!!!


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