5-6

 3月の初めは3年生の卒業式。十和姉さん達も卒業するので、式を終えて、いつもの中庭にみんなが集まっていた。


 私が、3年生の皆に紙包みを渡して


「なにが良いのか わからへんかってんけど・・ウチ等からの卒業祝い」


「サダ姉さん 気使うなよー こんなん初めてやでー」


「でも・・ 形だけね お化粧ポーチ」


「うふっ ありがたく使わせてもらうね」と、十和姉ちゃんは気持ちよく受け取ってくれた。


「それより サダ姉さん これから、どうする? メンバーも少なくなってー」


「いいの 別に 増やそうと思ってへんしー だけど、やっぱり、いじめられてる子とか仲間外れにされてる子が居たら、気にかけてやるよ」


「そうだねー もう 気負い張ってるのは時代遅れやもんなー みんな 自分のことだけ一生懸命で、他人のことなんか構ってへんわー だけど、サダ姉さん あとはよろしくな」


「ウン 変な風にはせーへんからー」


「ウチ等な 十和子が受かったら、みんなで金沢に卒業旅行に行くんやー だから、絶対受かってもらわんとなー」


「有里子 ウチの責任みたいやんかー」


「大丈夫や 十和はウチ等の希望なんやから ウチの子供出来たら、面倒みてな 先生」


「アホたれ 有里子の子供なんて・・・しごき倒したるワー 年中 保護者呼び出してな」


 そして、しばらくして、十和姉さんが合格したのを聞いた。やっぱり、あの人はすごいんだー。連絡して


「十和姉ちゃん おめでとう やっぱりね ヤルねぇー」


「うん ありがと」


「ねぇ もしかして落っこてたら どうしたん 専願やったんやろー」


「ふふっ どうしてたかねー もう 大学あきらめてかもしれんね それくらい 自分を追い詰めて行った」


「そーなんだー ウチには でけんワー」


「サダ姉さん 自分に自信持ってね きっと いけるよ」

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