第17話 セット販売はお買い得!


 カレーを食べ終えた俺に久満子ちゃんから提案があった。


「ところで、大五郎君。私達付き合う事になったんだし、同盟組もうよ。」


「同盟……?」


「もしかして同盟機能知らない?」


「このゲームに参加したのは今日だからさ。まだ細かい事はあまり知らないんだ。」


「え!? 今日始めたばかりで、もうランク39なの??」



 大層驚いたようで、ステータスを見せてと久満子ちゃんが腕に絡み付いてくる。戦力バレを防ぐ為にも簡単にステータスを見せるのは良くないであろう事は想像に難くないのだが……。


 しかし、この腕に感じる彼女の豊満なバストの感触には、如何な俺でも抗い難い。


 付き合ってるんだし、良くね? と考えた俺を責める奴などいないはずだ。



「仕方ないなぁ。ステータス。」




<仮想世界システム>

 創造神ああああ:ランク49

 WP:2,717,320P


 購入

 売却

 環境設定

 生命の存在強度

 世界へ介入

 履歴

 対戦モード


 生命体の数:9


 強者リスト 一位 魔王種始祖吸血鬼ダイ:存在強度4,171,722

       二位 魔王種魔法少女㈵外道使いサリリ:存在強度4,021,637

       三位 始祖吸血鬼ジャンヌ:存在強度3,015,320

       四位 シロクマ:存在強度330,520

       五位 シロクマ:存在強度330,511

       六位 シロクマ:存在強度330,503

       七位 シロクマ:存在強度330,482

       八位 シロクマ:存在強度330,455

       九位 シロクマ:存在強度330,454


 アイテム  10万上げる君 40個





「ええぇぇ!! なにこれ?!」



 うわぁ……。とつい洩らしてしまう彼女。



「上位三人が強すぎるよ! どう考えても大五郎君のランク帯じゃないよこれ! しかもまたランク上がってる……。」


 彼女はまともに戦わないで良かったぁ……と遠い目をしながら呟く。


「それに、生命体の数が9って極端すぎでしょ。シロクマ居なかったらたったの3じゃん!」


「少数精鋭で行こうかな? って思ってさ。」


「少数精鋭でも普通はこうならないよ……。同盟組んで大五郎君を守ってあげようと思ったんだけどなぁ……。」


「えっと、同盟組んだら守ったり出来るの?」


 うん。と彼女は続けて言う。


「ランク100で同盟機能が解放されるんだけど、同盟を組んだ相手には助っ人を送る事が出来るんだ!」


 ほうほう……。それは良い事を聞いたぞ。


「大五郎君はまだランク100になってないけど、私から申請すれば出来るはずだよ。」


「よし。同盟を組もう。」


「そうこなくっちゃ!“ああああ”に同盟を申請します。」




【彼女お貸ししますから同盟を申請されました。承諾しますか?】



「承諾。」



【同盟が結成されました。】




 これで良いだろう。


 彼女は俺を守ってくれようとしていたみたいだが、逆に俺が彼女を助ける事も出来るはずだ。


 俺の戦力を彼女に助っ人で送り込み、ランク差ボーナスで彼女は10万上げる君を稼げる。そして彼女が強くなれば、助っ人に来てもらう事で俺が助かる。素晴らしい!


 早速ランク差ボーナスで10万上げる君を貰える事と、協力して一緒に10万上げる君を稼ぐ方針を彼女に話した。



「ランク差ボーナスなんて知らなかったな……。それなら同盟組んだ意味はあったね。私役に立たないかと思ったよ。」


 俺より先に始めているだけあって、彼女は色々と便利な機能を他にも知っていそうだ。役に立たないって事はないと思う。


 それはそうと、彼女のステータスも確認しておきたい。


「久満子ちゃんのステータスも見せてよ。」


「勿論良いよ! ステータス。」




<仮想世界システム>

 創造神彼女お貸しします:ランク139

 WP:3,891,160P

 同盟者 ああああ


 購入

 売却

 環境設定

 生命の存在強度

 世界へ介入

 履歴

 対戦モード


 生命体の数:12,291,560,217


 強者リスト 一位 獣王シロクマ:存在強度1,521,522

       二位 黒いシロクマ:存在強度1,008,987

       三位 シロクマ将軍:存在強度781,032

       四位 シロクマ6 :存在強度430,451

       五位 シロクマ51:存在強度392,243

       六位 シロクマ19:存在強度350,777

       七位 シロクマ73:存在強度334,002

       八位 シロクマ84:存在強度332,745

       九位 シロクマ86:存在強度331,494

       十位 シロクマ92:存在強度331,246


           以下省略





「生命体の数が随分多いみたいだけど……。」


「シロクマ以外にも陸の動物や海の生き物もいるからね。」


 成程。確かにシロクマだって餌が必要だしな。


 しかし思った程強くはない。バランス型っぽいから、こんなものかもしれないが……。



 いや、よくよく考えてみれば分かる事であったが、あの強さのシロクマが6万頭もいるのだ。


 うちの魔王軍だって体力が尽きても不思議ではない。負けるとは思わないが、互いに潰し合いまでいけばこっちもジャンヌくらいは討ち取られそうだ。


 てか黒いシロクマってなんだよ。それってただの熊だよね?


「二位の黒いシロクマってのは?」


「それはね。突然変異なんだよ。」



 ほう……。



「生命体が自然と交配して次世代を生む時に、ランダムで突然変異が生まれるんだよ。」


「何か条件とかあるの?」


「完全にランダムみたい。突然変異は強く生まれる時もあれば弱い時もあるんだって。」


 数が揃ってる場合に与る恩恵みたいなもんか。


「話は変わるけど、今いる家とか周りのシロクマ達はどうやったの?」


「家はランク100になるとWPで購入できるし、シロクマたちはWPを払えば召喚出来るよ。」


「教えてくれてありがとう。久満子ちゃんは頼りになるな。」


 俺が褒めると彼女はパッと明るい笑顔になる。


「任せて! 聞きたいことがあれば、どんどん聞いてね。」


「頼りにさせてもらうよ。」


「あとね、地球の生き物パックを買っておくと良いよ!」



 詳細を聞いてみると、最初から地球に住む生き物達を全種類揃った状態で買えるらしい。最初は少ない数からスタートするが、時間経過で勝手に増えていくそうだ。


 ヘルプさんは教えてくれなかった。


 説明を聞いて俺は思ったのだが、もしかすると生き物パックって他にもあるのか?


 ゲーム参加者が地球人以外もいる可能性に思い当たる。


 地球以外の生き物パックがあるかもしれない。


「生き物パックについて俺が購入できるものを教えてくれ。」



【生き物パック】


 地球現代パック    50,000WP

 地球古生代パック  100,000WP

 地球中生代パック  300,000WP

 地球新生代パック  200,000WP

 地獄パック     800,000WP

 天界パック     800,000WP

 妖怪パック     200,000WP

 魔物パック     350,000WP




 予想外に多い。


 これって下手に購入したら初回ボーナス使えない案件だよな……。

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