第005話 人工知能 ➀

オドオドしている。


自分がサンドバッグになる事が解っているからだ。


悲鳴と哀願。

それから『愛してる』を紡ぐ人形。



僕のサディスティックの捌け口に造った愛玩具は、

妻そっくりのAI出力型ダッチワイフ。


鬱憤も晴れた事だし、

マシーンラーニングをしに帰ろうか。


恐ろしくも愛おしい妻の居る我が家へ。




★☆★


バイオレンスな妻を心から愛している夫。

妻が傍にいる間は、されるがままになっている彼だが、

妻にも自分が想っているように愛されたいと思うようになる。

かといって、本物の妻を傷つける事は、とてもじゃないができない。

(つか、一言言い返しただけでも、去ってしまうかもしれない、って思ってる)

なので、妻との時間を過ごしている時の自分の気持ちの機微(脳波?)を、人工知能に学習させ、自分の行動をとるラブドールで、妻からでは叶わぬ夢を実現させている。


って感じです。



☆★☆


次のお題は〖ドライブ〗

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