奴に烙印を!怨情の誘拐殺人事件

闇の烏龍茶

第1話

* 浅草 山陽家


「おはよー」

 朝7時、いつもどうりに娘が2階から降りてきた。

「あら、れいちゃんおはよう〜ご飯できてるわよ〜」

「おはよう、れい」

「うん」れいはパジャマのまま先ずは洗面所へ行く、顔を洗って歯磨きをしているのだろうしばらくの間水を使う音が聞こえてくる。そして食卓にれいがつく。

 我が家の朝食はれいが小学校に入学してから、焼いた食パンにジャムやマーガリンを塗って、牛乳かコーヒーにハムエッグ。以来、続いているが誰も飽きたとは言わない。これが小さな戸建住宅の平凡家庭に相応しい食事だろう、と勝手に思っている。

「あなた、マーガリン塗ってあるわよ。コーヒーも淹れてある」

「んー」俺は食パンは2枚と決めている。

「あたしのは?」

「あなたはもう27歳よ!着替えてから自分でやりなさい」妻は満面の笑顔だが言うことは厳しい。が、妻はまだパジャマだ。

「え〜、どうしてパパだけなのよ〜」不満顔のれいは小学生のように可愛い。

「ははは、それはお父さまは偉いからだ」俺が答える。

すかさず妻。

「い〜え、まともにできないからよ!自分でやらせたらテーブル中マーガリンだらけにするからよっ!」

「俺は・・」と言いかけたら・・・

「な〜るほど。ママわかった。納得よ」

俺はギロリと奴らを睨んで残りのコーヒーをすすって「じゃあ、行ってきま〜す」と玄関に向かう。

「待ってよ〜あたしも!5分で着替えてくるから、置いてかないでよ〜」牛乳を一気飲みして口にパンをくわえ、ダダダッと階段を駆け上がり、ドタバタ騒がしく着替えてるのだろう、いつ化粧したのか、バッグを持ってドドドッと降りてきて、俺の後を追ってくる。

「じゃあ、しっかりね!」妻は僕らをじっと見つめてそういった。

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