小説を書きたい人のための小説指南書レビュー

ぬるま湯労働組合

はじめに(おすすめ度などの基準)

 小説の指南書は役に立たない?

 小説の指南書を読むことは恥ずかしい?

 下手に小説の指南書を読むと変な癖がついてしまう?


 いえいえ、そんなことはありません。


 小説の指南書の多くは怪しげな自己啓発書と紙一重。怪しげな自己啓発書は、怪しければ怪しいほど面白い。つまり、小説の指南書は、ダメな作品であるほど面白い。いとおしいのです。


 たしかに、小説の指南書には役に立たないものもあります。読み手の問題ではなく、内容が皆無でぺらぺらなもの。タイトル詐欺上等なもの。精神論でゴリ押ししてくるもの。マーベラス。素晴らしいことではありませんか。


 たしかに、小説の指南書はひっそり読むものです。「あわよくばプロになりたい」「うまくなりたい」という下心を刺激する装丁やタイトルは、我々の羞恥心をくすぐり、本棚の見えないところに置いておきたくなります。ワンダフル。購買欲求をかきたてる本が時代を創るのです。


 たしかに、小説の指南書には本当に小説を書きたい人に無駄な遠回りをさせるようなことが書いてあることもあります。ファンタスティック。無駄な作業を楽しむもよし、無視するもよし。指南書は我々に無限の可能性を与えてくれる。


 そんないとおしい指南書たちを、私は月1~週1ペースくらいでまったり読むことにしています(それ以上読むと精神が壊れるため)。なるほど! と手を打つ名著から、ただの字のかいてある紙束まで、素晴らしくいとおしい時間を過ごしてきました。

 そんな時間を読者の皆様に少しでも共有したい、という思いから、このたび筆をとることにいたしました。


 とはいえ、「役に立つ指南書だけ読みたい」というせっかちな方もいらっしゃると思います。本記事のターゲットは、小説を書いている人と、小説を書いてみたい人。そんな方々のために、各指南書を以下の項目について5段階評価をつけました(5が高い、1が低い)。


おもしろさ

読みやすさ

お役立ち度

いとおしさ

おすすめ度


 それぞれ説明していきます。


●おもしろさ、読みやすさ

 指南書として工夫がなされているか、読んでいて楽しいか、図などでわかりやすく説明されているかなどを評価しました。筆者の趣味が多く含まれておりますのでご了承ください。


●お役立ち度

 本記事の読者が気になるのはこの項目かもしれません。「小説を書きたい人・小説を書いている人」にとって役に立ちそうかを評しました。たとえば、読解力をつけたい人にとって名著な作品でも、書きたい人にとってあまり役に立たない作品には1や2をつけています。


●いとおしさ

 自己啓発書的な色合いや、筆者のドヤ顔がありありと見えるもの、なぜかものすごく上から目線な指南書など、とにかくいとおしいですよね。そういうの大好きです。私がいとおしいと思うものを高く評価します。


●おすすめ度

 「小説を書きたい人・小説を書いている人」におすすめできるかを見ています。上記4点の総合評価といってもいいかもしれません。あまり厳密ではないので、あしからず。



 本記事はすべて筆者の独断と偏見によるものです。特定の作品を貶したり持ち上げたりする意図はありません。指南書は指南書である限り素晴らしいものなのですから。

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