7.私の事だあああ!

 村に着くと、俺は村長さんに五十枚の金貨を手渡した。


「はいこれ、税金貰い過ぎてたから返すよ」


「ど、どういう事ですか? 払い過ぎていたということでしょうか? しかし例年と同じ額しか収めていないはずですが……」


「ああ、そういうのいいから。気にしないでこれでちゃんと食べてバリバリ働いてね。それと何か欲しいものある? 例えば、農作業に使う道具とか」


「正直なところ、牛などの家畜や、くわなどの道具が不足しています。それと人手も足りません」


「はい、じゃあこれ、それらを買うお金ね」


 俺は追加で更に五十枚の金貨を村長に渡した。


「人手に関しては我が家のメイドを一人派遣するから好きに使っていいよ。最低でも十人分の仕事をしてくれるから、してくれなくても十人分働かせていいから」


(え……ルーク様?)


「よ、よろしいのですか!?」


「よろしいです。あと何かない? 悩みとか、こうしたらもっと効率よく作業出来るとか」


「それは……」


「いいから遠慮くなく言って」


「で、では……井戸が枯れ始めているのと、水路が上手く機能していません。あと、病にかかった時、薬がなく治癒に時間がかかってしまいます。それで人手が不足してしまい、収穫に影響が出る事が……」


「なるほどね、じゃあそっちは僕が何とかするよ。だからこれからもお仕事頑張ってね」


「よろしいのですか!?」


「よろしいです。というわけでエマ」


「ん? どうしました?」


「領土を出る、薬とかその他もろもろ調達しに行くよ。付いて来て!」


「はい⁉」


「それから領に帰って来たら百人分働いて!」


「はいいいいい⁉ (やっぱり私の事かあああああ‼ しかも十倍の百人分⁉)」

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