第11話

高校の入学式迄、少しの間、休みが

有ったが、その間に、加賀君の

お母さんが、やっと入院出来る様に

なった。

紗綾の、お母さんが病院迄、連れて

行ってくれた。

3人は、これで一安心だった。


[誠君、お母さんが帰って来る迄

1人だから、その間は、うちでご飯を

食べなさいね?]


[いや、そこまでは!]


[いいのよ、1人も2人も一緒よ!]


[ありがとうございます!]

(お母さんは、天使なの?頭の上に

わっかが見えるよ!)

加賀君の家に着いた。


[じゃあ、夕方、来なさいよ!]


[待ってるね!]

と言って分かれた。

夕方、加賀君が、やって来た。


[お邪魔します。]


[いらっしゃい。]


[さぁ、しっかり食べて!]


[いただきます。]

[美味しい、おばさん、美味しいです!]


[そう?嬉しいわ~誰かさんは何も

言わないから!]


[お母さん、美味しいです~。]


[もう、遅いわ!]

笑いが、溢れる食卓、加賀君にとって

こんな食卓は、もう記憶にも無い。

嬉しかったし、楽しい食事だった。

こうして、春休みの間は、ずっと

紗綾の家で、ご飯を食べた。

明日は入学式だ。


[明日、入学式だね?緊張するね!]


[僕、迎えに来ようか?一緒に行く?]


[うん。]


[じゃあ、朝、迎えに来るよ!]


[うん、待ってる!]


[じゃあね!]


[じゃあね!]

入学式の朝

紗綾は伸ばしていた、髪をポニーテール

に、して加賀君を待っていた。


[おはよう!]


[おはよう!]

(えっ!髪型、可愛いい!)


[………]


[どうしたの?]


[髪の毛が……]


[高校生だからね!イメチェンして

みたの、どう?]


[可愛いい、でも心配だな!]


[何が、心配なの?]


[何か、北村紗綾ちゃんが、モテそうで

心配だよ!]


[何、言ってんのよ!中学の時、1番

モテた人が!]


[北村紗綾ちゃん、第2ボタン、まだ

持ってる?]


[もちろん!机に、ちゃんと有るよ!]


[高校卒業の時も、僕のボタンだけを

貰って、くれませんか?]


[それって……告白?]


[うん!]


[うん!喜んで貰いに、行きます!]


[やったね!]

手を繋いで、歩く2人。

朝日よりも、眩しかった。

学校に着いた2人。


[入学式が始まる前に、クラス見に

行こう!]


[加賀君、いや、誠君はなん組?]


[えっ、僕は3組、北村紗綾ちゃんは?]


[私、4組だわ~。]


[でも、まだ隣だから、良かったな!]


[そうだね!]

そして、式が終わると、ゆりなが

やって来た。


[あのね~お二人さん!私の事を

忘れてたでしょう?]


[いや~忘れては無いよ!]


[ゆりな、なん組?]


[私、1組。]


[じゃあ、みんな、近いね!良かったね!]

帰りは3人で、帰った。

紗綾と加賀君は、加賀君のお母さんの

病院に行くので、途中で分かれた。

2人で、高校入学の報告をして制服を

見て貰った。

だいぶ元気に、なっていて、ホッとする

紗綾だった。

病院からの帰り道


[誠君、おばさん、だいぶ元気に

なったね?良かったね!]


[ありがとう!これも全部、北村紗綾

ちゃんの、お陰だよ!]


[私は、何もしてないよ!あっ!

今日は、このまま家に、寄って帰る?

面倒くさいでしょう?]


[いいの?]


[いいよ!]


[ただいま!]


[お邪魔します!]

と、2人は家に入る。

夕方


[紗綾、誠君、ご飯できたよ!]


[は~い!]


[さぁ、今日も、しっかり食べてね!]


[おばさん!]


[はい、どうしたの?]


[今日、僕は高校生に、なりました!]


[知ってるわよ、そんな事!]


[それで、北村紗綾ちゃんとの

約束を守りたいんです!]


[約束?]

(約束?なんだろう?)


[幼稚園の時に、北村紗綾ちゃんは

大きくなったら、誠君のお嫁さんに

してねって、言いました!僕は、絶対

だよ!って、答えました!高校を

卒業したら、僕は働きます!ただ

北村紗綾ちゃんは、自分のしたい事を

するべきだと、思ってます!こんな

生活を、している僕ですけど、北村

紗綾ちゃんを、大切にしますから

まずは、お付き合いを認めて貰えませんか?]

紗綾の、お母さんは


[でしょうね!いつか、こんな日が

来るって、最初から分かってましたよ!

誠君は大変だけど、よく頑張る子だから

紗綾を、お願いね!]


[ありがとうございます!]

と加賀君は、深く頭を下げた。

紗綾のお母さんが


[でも、よくそんな昔の話を、覚えてたね?]


[はい、あの時、何時も僕の側に

北村紗綾ちゃんが、居てくれました。

今と一緒で、何時も優しく、強い

北村紗綾ちゃんでした。]


[誠君、その呼び方だけは、変えた方が

いいと思うよ!]


[私も、言ったんだけど、みんなと

一緒の呼び方は、嫌だって言うのよ!]


[そうね?北村紗綾だから、間を取って

きぬさやは?]


[お母さん、遊ばないで!]


[あっ、いいですね、それ!]


[何言ってんのよ!誠君迄、嫌ですからね

きぬさや、なんて!]


[じゃあ、北村のきを取って、きい~は

どう?]


[きい~、うん、それなら、いいよ!

じゃあ私も、誠君の事をまこっちゃんて

呼ぶからね!いい?]


[いいよ、きい~。]

ニッコリ。

そして学校は、ゆりなと3人で、登下校

する事に、なった。


[おはよう!]


[おはよう!]


[おはよう、じゃあ行こう!]

昨日のテレビの話等を、しながら登校

する。

3人、分かれてクラスに、入る。

(緊張するな?知らない人ばかりだもんな!

満里奈、純香は大丈夫かな?やちゅー達は

大丈夫だな!)

先生が入って来る。

今日は、とりあえず出席簿順に、座って

貰います。

そして、自己紹介を済ませたら、

教科書等を貰って、帰る。


[紗綾、終わった?帰ろう!]

と、ゆりなが、やって来た。


[うん、ちょっと待って、まこっちゃんが]


[紗綾、もう加賀君3組で、人気者だよ!

女子が、はしゃいでたよ!気を付け

なさいよ!]


[まこっちゃんは、大丈夫!]


[お~余裕だね~。]

と、言っている2人の前に、数人の

男子が集まる。


[君達、部活するの?]


[しません!]


[じゃあ、サッカー部のマネージャー

してよ!]


[いや、野球、バレー、バスケ]

と、次々と言われて、困っている所に

加賀君が、来た。


[ごめん、彼女達は忙しいから!]

と言って2人を、連れ去ってくれた。

(助かった~)

と紗綾は思った。

そして3人で、帰る。

ゆりなが


[紗綾と加賀君て、何か結ばれ方が

強いよね!そうだ、これこそ赤い糸だ!

ほら、紗綾、前に話してた、運命の

赤い糸!]


[赤い糸!]


[そう、紗綾の赤い糸は、加賀君と

結ばれてたんだよ!]


[きい~、そうなの?]

と加賀君が、聞いて来た。


[運命の赤い糸って、聞くけど

本当に、それが、まこっちゃんと

結ばれているのかは、私には分からないよ!]


[きい~、それは僕だよ!絶対に!]


[そうだよ!紗綾!]


[うん、運命の赤い糸が、まこっちゃん

なら、良いよ、絶対!]

そして、加賀君は病院に、行くので

分かれた。


[おばさんに、よろしくね!]


[了解、じゃあな!]

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る