第22話 夜

 彼女はカードケースの中を確認すると、一枚のカードを取り出して展開した。それは手紙の様で、彼女は無言のまま目を走らせている。


「ともかく、もう夜だ。今日はゆっくり休んで…外に音が漏れると、悪い奴が家に気いて家を取られちゃうかもしれない。そうなると休憩する場所もなくなるぞ」


「そうですか…わかりました」


 幼い容姿に似合わぬ態度で、言の葉を紡ぐ幼女は手紙を両手で胸元に抱きしめている。


 ただでさえ警戒されているのだ。注意が終われば、彼女がゆっくりと過ごせるように部屋を離れた方が良い。


 白蓮が部屋を離れた後一人部屋に残されたエリーゼは離れてゆく足音が次第に聞こえなくなった頃ポツリと呟いた。


「あの子がアイネの子?」

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