第18話 数字 × 忘れられない国

リンとエミリオは、日本を満喫した。


サイード・アリ率いる6人組も行動を共にしてくれた。


秋葉原にいってメイド喫茶やコスプレを体験し、T○LやU○Jにいって遊園地的なものを楽しんだ。


日本はそれこそ楽しむべき所はたくさんあった。


ろくろを使って皿を作ったり、寺社建築をみて回ったり。お座敷遊びも体験したし、お好み焼きも食べた。沖縄で三線もひいて、カチャーシーも踊った。みんなで踊ったりするのはいい。


「8人組になるから、キャラを作ることは大切だよね」

沖縄の夜にリンが語る。


「僕は王だから『ワン』にするよ」


「Duran Emilioは『ドゥーエ』ね」


「これで『1』と『2』ができるわけだけど、後はみんなの混血情報で8までできるかな?」


「元リーダーはエジプト人の血があるから『タラータ』『3』にしよう。」


「中国と日本の混血はいる?」

『ゴ シン』が手をあげる。

「僕は中国と日本の混血です」

「じゃあ、君はスーだね、いい?」

「はい、問題ないです」


「フランスの混血の人はいるかな?」

『サティー ユウゴ』が手をあげる。

「私はフランスと在日韓国との混血です」

「なら、君はサンクだね。いい?」

「オッケーです」


あとは、ス、スペイン、ポルトガル、韓国だったよね?


「はい、僕はスペインと在日中国との混血です」

セント イバル ウミが答える。

「じゃあ、君はセイスだね」

「セイスには今度頼みたいことがあるから協力よろしくね」

リンとエミリオは苦笑いしている。

セイスは何かはわからず、Okey Dokeyポーズ。

陽気なやつだ。


あとは韓国の混血はいる?

「僕は1/4ですが韓国の血は入ってます。地本 類です」

「なら、君はチルだね。OK?」

「はい、問題なしです」


あとはポルトガルかあ?

「あ、入ってます」

最後に残った大柄な男が不安げに話す。

「じゃあ、君はオイトだね。ちなみに名前は?」

「大山 海斗です」

「お~すごい偶然だけどぴったりだね」


リンが笑顔で答えた。


これで全員の名前が決まった。


リンの行動力はすごい。

ちなみにだが、王家では今自宅の隣に住宅を建築中だ。そう、彼ら6人が住む場所。


リンはもう親は説得済みだった。

両親には家の何十倍稼ぐための手段だから、住む場所を投資するように。と頼んでおいた。


この旅行でリンの行動力は、何十倍にも膨れ上がってる気がして、エミリオは苦笑いした。


……


その後も北海道にいって雪に触れたり、日本のHalloweenを体験したりおおいに楽しんだ。


もちろん、SNSにアップロードすることも忘れなかった。


ちゃっかりといっては何だがその間に、6人の親友ができた。と、一人一人のプロフィールを観光情報の中に散りばめた。


秋葉原にもいった。8人みんなでコスプレも体験してみたし、メイド喫茶も行って満喫した。

オイトのコスプレは大爆笑だったのだが、それはまた別の機会にでも。


日本は安全だったし仲間もできたことから、リンとエミリオにとって忘れられない国になった。日本語もほとんど話せるようになったし、なんなら、ハーフ会の主要メンバーにもなってクラブではしゃいだりもした。


まあ、楽しいことはあっという間。

今は、約束の2年が迫っているため、アメリカ我が家に帰る身支度中だ。


6人には適当に来て。と住所は伝えてある。


リンは徹底的に個人の考えを尊重した。

最後まで自ら考えて行動して。と伝えている。


ちなみにだが、年齢は関係ないとは思うが、リンとエミリオはみんな(6人組)より3個年下だった。彼らには年齢など全く関係なかった。

むしろみんなもリンとエミリオを敬っていた。


そして、楽しいことはあっという間で、リンとエミリオはアメリカの自宅に戻った。


……


彼たちは8年後、鉱物加工会社を買収する。


金の成る木が生まれる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る