第5話
早太郎に憑依される日々が8年続き、詩は大学生になった。
相変わらず早太郎は、そんな詩に憑依して喧嘩やいじめを止めたりしていた。
大学生活最初の夏休み、詩は友人の三浦ひかり、松島知里、柿花夢見と共にカフェで雑談をしていた時、カフェの近くのホテルが騒がしくしていた。それに気づいた詩達はざわざわし始めた。
会計を終え、様子を見に行くと
「ねぇ、立て篭もりだって」
「嘘⁉︎怖い」
そんな野次馬達の会話が飛び交っていた。
「立て篭もり?」
ひかりは首を傾げた。
「ねぇ!今スマホのニュースアプリ見たけど、ちょうどこのホテルの事やってる!」
知里はスマホの画面を見せた。
「マジで⁉︎」
夢見は驚いた。
「ねぇ、詩怖いよね」
ひかりは尋ねた。
「うん…。犯人刃物持ってるみたいだし」
詩はびびっていた。
「一実坊弁存!早よ助けろ!」
詩のカバンから早太郎の声がした。
「何言ってんの!刃物持ってるかもしれないのよ!」
詩はカバンからキーホルダーを出して言った。
その姿を友人らは呆れて見ていた。
「相変わらずだなー。行くぞ!」
早太郎はそう言うと詩に憑依した。
その瞬間、詩はダッシュし始めた。
「詩⁉︎」
ひかりは止めようとしたが、早太郎に憑依されて体の自由を奪われた詩はダッシュしたままだった。
途中、詩は警察に止められたが、警察でも無駄だった。
「私には無理だー!!!」
詩はそう叫んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます