第10話 夏が近くなると

夏が近くなると、設えが変化します。

いままでは炉(畳の中に炉がある)状態だったのが、温度の調節ができる釣り釜を経て、風炉(畳の上に釜が置かれる)になります。

おそらく、もう少しすると茶通箱を使用。7月辺りになると、テーブルでの立礼式に手前となるはずです。


香合:扇型(洗心)

掛け軸:薫風自南来 建仁寺小堀ご老師の作

茶入:水差しの形(水滴)

お花:撫子

お花入れ:捻り(青と白)(先生自作)

お茶碗:海雪(青色と水色のグラデーション)


暑くなってきたから、爽やかさを強調した青と白の取り合わせ。お茶入も水を連想させるように水差し型。

お菓子はソラマメ型の餅菓子。

お菓子のソラマメ型の餅菓子を海外の生徒さんへ説明するときに英語での説明が難しいといっておられました。


言語の壁のほかに、日本独特の考えを海外の方に分かって貰うのは辛い。

経験したことがないのだから、当然同じイメージにはならない。

すべて英語で訳しても、ほぼわからない。お菓子を食べて、お茶を飲む約30分の時間では、到底十分には説明ができない。


でも、お茶腕の青い色をみて、涼しさを感じることは可能かなとおもう。

「寒色」と呼ばれる青は「見ると寒さを感じる色」だし、感じ方に人種による差はないと思います。

言語がダメなら、視覚と嗅覚と聴覚と触覚で勝負するのはいい手段だと思うのだ。どうだろうか?


亭主のイメージと客のイメージとが少しでも共有できたら素敵だと思う。


今回はここまで。




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