第7話:彼女の気持ち・秋月 朱音

アタシには自分の気持ちが迷子になっていた時に、手を差し伸べてくれたお姉さんがいる。


神義しんぎ 莉里華りりかさん。学校で上手くいかなくて自分でもどうしたら良いか分からなくて、公園のベンチで項垂うなだれていた時に声をかけてくれた女性ひと

アタシの話を聞いてくれて時々、一緒に遊んでいる一つ年上の女性ひと


アタシと違い、身長も高く、モデルみたいに綺麗な女性ひと


莉里華さんは気さくな人で『かしこまった話し方をしないでいい』と言ってくれた。その言葉に甘えさせてもらって、私はもっと莉里華さんの事を好きになった。


莉里華さんに友達を紹介したいと言われてついて行った。気をつかわなくて良いひとだと言っていたので、緊張しながらもついて行った。


莉里華さんがインターホンを押すと返ってきたのは男性の声。

??紹介したい人って男性??彼氏なの??

困惑した私の手をひき、莉里華さんは家の中へ入っていく。


彼は坂槙さかまき 遥希はるきさん。

莉里華さんと同じ、一つ年上の男子。


交流を深めていくうちに、坂槙さんは同い年の男子と比べても落ち着いている事が分かった。


莉里華さんもアタシの緊張が解けていくのを感じて微笑んでくれていた。

アタシもここにいて良いのかな?

そんな風に思いながらも時々、坂槙さんの家にお邪魔していた。


莉里華さんと坂槙さんは付き合ってるのかな?

見てる感じだとそんな風に見えないんだけど……


莉里華さんは坂槙さんをどう思ってるんだろう?


莉里華さんくらい美人なら、もっとイケメンの彼氏がいそうなんだけど、そんな素振りがないんだよね。

いけない、いけない、なんでも恋愛に結びつけたらダメだよね。


莉里華さんには悪いけど、面白そうだから見守らせてもらおう。

アタシも恋愛のことはよく分からない。

学校の友達も恋の話で盛り上がってるけど、アタシはその話についていけない。

莉里華さん達を見ていたらわかるかもしれない。


なんだかんだで、坂槙さんとも親交を深めていき、なんだかお兄ちゃんができたみたい。


アタシのこの気持ちは多分、。恋愛じゃないと思う。

もし、アタシが坂槙さんを好きになったら莉里華さんはどう思うんだろうか……

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