✿雨山高等学校

紅人とあれこれ話しているうちに俺の通う高校黒峰県立雨山高等学校に到着した。慣れ親しんだものは雨高とか雨山などと呼んでいる。授業科目は総合学科を行っている。俺は楽器を演奏することが好きだから必修科目以外に音楽や器楽の授業を受けている。

「もう着いたけど紅人はどうするんだ?」

「ん?付いていきたいって…言いたいところだけど流石に神楽様の授業の邪魔にはなりたくないからそこら辺を散歩でもするよ」

紅人はそう言ってスッ…と姿を消した。なんだよ離れたくないとか言ってたくせにあっさりと去るんだな。まぁ…俺のことを思っての行動だろうけど。昇降口に向かい靴から上履きに履き替えてゆっくりした足取りで2年Aクラスの教室に入り俺の席に着いて周りを見てみたがいつも話す奴が居ないためカバンから俺のお気に入りの小説「雨桜」を取り出して読み始めた。内容は雨桜という人物が襲いかかってくる妖怪を次から次へと斬り伏せる話だ。まるで俺とは真逆の人物だな…でも、斬り伏せるという点では紫雨さんも同じだったな…ってまた紫雨さんのことを思い出している今はとにかく小説に集中しないとそう思い紫雨さんのことを考えないようにした。

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