✿視えてしまう目

「それにしても大変だなぁ〜その目」

「そうなんですよね。生まれつき生きてる人と死んでる人の区別が曖昧で…。そういえば紫雨さんも生まれつき視えるんですか?」

この人もさっき視えてたから斬れたんだよな?

「まぁ…俺の場合は特別だからなぁ」

曖昧な回答だな。なにか聞いたらまずかったのかな?それに刀で斬ってたし紫雨さんは視えてるけど俺とは違って祓うことができる。俺も祓えれば良いのにな…。

「おぉ…そうだ!これやるよ」

そう言って渡して来たのは硝子で作られた透明な鈴だった。

綺麗な鈴…それに紫色の蝶が塗られている。試しに振るってみるとリーンと高くて澄んだ音がなった。

「良いんですか?こんな綺麗な鈴を頂いて」

「良いんだよ。御守だと思って肌見放さず持っていてくれ」

「ありがとうございます」

紫雨さん…親切でいい人だ。赤の他人なのに何でこんなに助けてくれるんだろうと俺は心のなかでそう思っていた。

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