❁記憶 肆

翌日、何時もの時間になるとあの子が遊びに来た。

「おにぃちゃん!今日はかくれんぼして!」

今日も良い笑顔で来たな。だからこそあの笑顔を 汚さないように俺が守ってやるからな。

「そうか…じゃあ俺が見つけてやるから隠れてくれ」

「うん!ちゃんと10かぞえてねー」

俺は、近くにある御神木の方を向き神楽に背中を向けた。

「い〜ち、に〜い〜、さ〜ん、よ〜ん、ご〜お、ろ〜く、し〜ち、は〜ち、きゅ〜う、じゅう、  もぅ良いかい?」

返事は無い、何故なら久神に記憶を書き換えて貰っているから。思った通り少し遠くからは久神の声で「もう良いですよ」と返事が返ってきた。

「神楽はどうした?」

「綺麗な場所に寝かしときました。そのうち目が覚めるでしょう。それでは私は向こうの世界に帰ります」

「あぁ…ありがとう」

久神は一瞬のうちに消え去った。

さて…ここからは、他の神にも秘密にしなければ いけないことをする。

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