第4話〜ダイカーンと2匹の忍者〜

・ゴマちゃん……部下

・無頼様……ウィンド(♂。忍者)

・兎蛍様……シルヴァ(♀。忍者)、ティタニア(風の精霊)

・砂漠様……ダイカーン(黒猫。若いがボスの風格)

・くらげ様……N、猫のお婆さん(ウィンドとシルヴァのお母さん)


 −−−−−−−−−−−


N「ここは、ニャンバラの役所。現在ニャンバラは、知事ダイカーンが都市の代表を務めていた」

 


ダイカーン「ガッハッハ! 世の中というのは、楽しくなければならぬ! シルヴァにウィンドよ、そう思わぬか?」


シルヴァ「おっしゃる通りでございます、ダイカーン様」


ウィンド「ヘッ! 面白おかしい世の中にして、毎日笑いの絶えねえ街にしてやりやしょうぜぃ、旦那!」



N「シルヴァは猫の女忍者、ウィンドは猫の男忍者。2匹は、ダイカーンの元で働いている。働き始めたのはつい最近だが、2匹の仕事の早さを気に入られ、下っ端の雑用係から一気に幹部にまで成り上がったのである」



ダイカーン「そうだろう、そうだろう。ワシは世の中をより面白おかしくするために、精霊の力を得て、異世界へと繋がるワープゲートを操れるようになったのだ! この力、そなたらにも授けようではないか!」


シルヴァ「この力は……! ダイカーン様、ありがたき幸せ!」


ウィンド「この力、どう使えばいーんだぃ?」


ダイカーン「ハハハ、見ておれ。ネオキニーラメーンハラークダス‼︎」



N「ダイカーンが呪文を唱えると、虹色の雲のようなものが現れた。そこから何と、巨大なマグロが2匹飛び出してきたのである」



ウィンド「ほーぉ、これは……!」


ダイカーン「さあ、そなたらもこの力、使ってみるが良い。上手く扱えたなら、このマグロを褒美としよう」


シルヴァ「は! ならば早速……ネオキニーラメーンハラークダス‼︎」



N「シルヴァが見様見真似で呪文を唱えると、同じように虹色の空間が開き、そこから真珠で出来たネックレスが現れた」



ウィンド「ネオキニーラメーンハラークダス‼︎」



N「ウィンドが呪文を唱えと、今度は虹色の空間から、何と年老いた猫の女性が現れた」



猫のお婆さん「これ、あんたら。一体何のつもり?」


シルヴァ「は、母上!」


ウィンド「母ちゃーん! 久しぶりじゃねえか! 元気そうな姿が見られて嬉しいぜぃ!」


猫のお婆さん「……これはワープゲートね。あまり悪ふざけに使ってはなりませんよ。こんなもので遊ぶ暇があるなら、忍びの道を極めなさい」


ウィンド「あ、あたぼうよ! ちゃんと忍びの修行もやってらあ!」


猫のお婆さん「……久しぶりに会えたから聞いておくわ。私が教えた大事なこと、覚えてる?」


シルヴァ「はい! 〝どんなことがあっても前向きな気持ちを忘れず……」


ウィンド「プラス思考で生き延びなさい〟! だなぁ!」


猫のお婆さん「よろしい、ではまた」



N「シルヴァたちの母の姿を見たダイカーンの顔が、少し青ざめる。が、ダイカーンは何事も無かったように言葉を紡ぐ」



ダイカーン「それで良い……呪文を唱える時に、心に浮かべたものを呼び寄せることができるのだ」


シルヴァ「だから、真珠のネックレスが出てきたのですね。ずっと欲しかったんですもの」


ウィンド「久しぶりに母ちゃんに会いたかったんだ! にしても、コイツぁ、何とも楽しく、便利な力ってやつだな!」


ダイカーン「ようし、そのマグロは取っておけ。さあ、この力をニャンバラだけでなくあらゆる世界で使い、世界をもっともっと面白おかしくするのだ。……ハァー、ネオキニーラメーンハラークダス‼︎」



N「今度はダイカーンの近くに、巨大な虹色の空間が2つ現れた」



ダイカーン「我が部下たちよ。これより、シルヴァ、ウィンドと共に、異世界へ参れ」


部下「はっ!」


ダイカーン「シルヴァは〝くつばこ! 成り行きでヒーローになった子供達の話〟の世界へ、ウィンドは〝異世界転移していない!? ここは-システムエラー-界らしいです~ちょっとおかしなゲームを攻略しなきゃいけなくなりました〜〟の世界へ行き、ワープゲートを使ってそれぞれの世界をカオスにして参れ! ガッハッハ!」


シルヴァ「はっ!」


ウィンド「勿論この事たぁ、他言無用、だよなぁ?」


ダイカーン「そうだ。いかにも自然現象であるかのように見せかけるのだ。クッフッフ……! では、行け!」


シルヴァ「行ってまいります‼︎」


ウィンド「行ってくるぜぇ!」


部下「行ってまいります!」



N「シルヴァとウィンドは、それぞれダイカーンの部下4匹とともに、ワープゲートの中へと消えていった」



ティタニア「……キャハハッ! さて、どーなるかなぁ。楽しみ!」

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