INTERMEDIO 〈 Technology which takes out an answer out of fog. 〉

『T』のパソコンが勝手に起動する。

 

 青い画面に見たことのないロゴが画面に表示され、そのパソコンに使われているOSが広く世間一般に流通しているような代物ではない。特別に作られたオリジナルのモノだった。

 だからと言って、それが何もないのに起動する理由ではない。

 外からの遠隔操作。

 別の場所からの強制的な命令で、パソコンは起動させられたのだった。

 緑の画面に『Calling』と表示され、静かにベルの音が鳴った。電話のベルに似た音だったけど、どこか電子的で金属の音にはない高さがある。それはたぶんカレからのコールであったが、それに出ることの出来る人間はいなかった。

 通信に出る人間がここにいないことをすでに知りながら、向こうにいる『カレ』は少ない時間を調節しながら最後のコールを掛けたのである。リリリリ……となっていた呼び出し音は無情にも鳴りやんでいて、それからすぐに、メールが送られてきた。

 

 

 メールには、ただ一文だけ。『GOOD NIGHT』と書かれていた。


 

 部屋の戸が急に開き、女は一杯の紅茶を持ってきた。

 この部屋の主が愛したお茶を、最期に捧ぐために。



             《 Is this answer appropriate? 》

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