一日の最後に甘いキスを――裸で抱き合ってイチャイチャ

「はい、これで洗い終わったね。えっ……あたしの体を洗いたい? だ、だめだよ……ほら、今はシャツだし……え、せめて背中だけでも……? えぇ、恥ずかしいじゃん」


 さすがの真帆も脱ぐのは恥ずかしいらしい。あんな大胆な水着をつけていたのに。


 けど、なんだかんだ背を向けてシャツを脱いだ。


 真っ白で小さな背中が露わとなって、俺は立ち尽くす。背中の向こうは何もない裸なんだよな……見たい。見たいけど我慢だ。

 それにしても、こうして背後に立つと可愛いと思うと同時に、抱きしめたい衝動に駆られた。


「あ、あんまりジロジロ見ないでよ……」


 興奮と理性を強く押さえつけ、真帆にシャワーの位置へ立ってもらう。俺は彼女の背中に手を当てていく。


 ぴくっと反応して、息を荒くする。



「ちょ……嘘でしょ。そんな優しく撫でるような手つきで洗ったら、無理……」



 背中に触れただけで真帆は壁に両手をつく。敏感だったのか。


 構わず俺は、真帆の背中を洗い続けていく。



「君、指使いがえっちすぎ! だ、だめ、そこはだめっ」



 身を捩らせて逃げる真帆。

 背筋のあたりが一番弱いらしい。

 ああ、でも分かる。

 そこって指でなぞるとソワ~っとするし。


 けど、ちょうど浜で寝そべった時の『砂』がついているし、洗わないとな。



「す、砂? そっか。それなら仕方ないよね。さすがにあたしには見えないし……でも、お尻の方に触れたらダメだからね」



 目の前には可愛いお尻。

 ぷりぷりっとした男を誘うような大きさだ。


 ひも付きの水着で覆われているけど、面積が少ない。



「ちょ、水着のひもに触れてどうしたの、君。え、引っ張って解きたいの? そ、そこはダメだってば……裸になっちゃうじゃん」



 どうしてもと望みをかけて言ってみた。



「まあ、彼女なんだしいいけどさ。じゃあ、裸でイチャイチャする? え、やっぱり恥ずかしい? 変なの。

 ならさ、目を閉じてくれる?」



 え、なんだろうと俺は目を閉じた。

 気づくと真帆が抱きついて来ていた。



「これなら胸は見えないじゃん?」



 確かに。

 けれど、凄い密着だ。



「このままシャワーに当たってようか」



 二人きりで雨の中にいるような気分だ。

 ずぶ濡れになりつつも、俺は真帆を抱く。



「キス、してくれるの? ありがと。うん、もっと“ぎゅっ”と抱きしめて」



 俺は真帆にキスをした。

 長い時間をそうして過ごす。


 十分、ニ十分、三十分………時間を忘れて続けていく。



 気づけば、すっかり夜になった。



「……す、凄かった。君、こんなにキスしてくれるんだ。あたし、君のことがもっと好きになっちゃった。

 うん、包容力ある人が好き。優しい人が好き。かっこいいところも好き。あたしだけを見つめてくれるその瞳が好き。君が好き。大好き」



 こうして俺は、浜辺でギャルに懐かれ――彼女ができたんだ。

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