彼女になってくれた――ギャルの寝顔と一日の終わりに

 ゆっくりと丁寧に唇を奪う。

 真帆は驚くほど抵抗がなく、完全に受け入れてくれた。


 静かな時間が流れ、しばらくが経った。


「優しくて熱のこもったキスだったよ、君。本当にはじめて?」


 本当にはじめてだ。

 緊張したけど、動画サイトで勉強しておいて良かった。


「すっごくドキドキしちゃったよ。今、心臓の音がやばい」


 嬉しそうに笑う真帆。


「また聞いてみる?」


 真帆の心音は好きだ。

 聞いてみたい。


 耳を当ててみると――



 どくどくんと規則正しい音が聞こえた。


 どくんどくん……。

 どくんどくん……。


 一時間は余裕で聞いてられる。

 そもそも、この女の子の胸に耳を当てるという行為も癒される。


「このままだと沖まで流されちゃうね。そろそろ戻ろうか」


 確かに、結構深いところまでいた。

 波も強くなっていたし、これ以上は危険だ。


 泳いで戻る。


 泳ぎ疲れて、そのまま浜に寝そべった。

 真帆も隣へ寝転ぶ。



「あ~、楽しかった。君と一緒に抱き合ってプカプカ浮かぶのすっごく幸せだったよ」



 そう言って真帆は、俺の手を握ってきた。嬉しくて俺も握り返す。



「もう、あたしって本当の彼女でいいよね? ――うん、決まり。今日から、君の彼女だよ」



 人生で初めて彼女ができた。

 しかも巨乳ギャルの。



「へえ、あたしと同じだね。彼氏できたの初めて」



 それは意外すぎる。

 こんな可愛い真帆に彼氏がいなかったなんて。

 じゃあ、俺が全てはじめてなんだ。



 ぼうっとしていると、真帆が這って俺の上に乗ってきた。身を寄せてきて――俺の胸の中で眠る。



「んー、気持ちい。君の胸、広くて寝心地最高なんだ」



 しばらくすると、真帆はスヤスヤと眠ってしまった。

 可愛い寝顔を晒している。


 まるで子猫のようで俺はキュンときてしまう。



「すぅ~…、すぅ~…。君の……こと……好き……。もっと、ぎゅっと……抱きしめて」


 そんな寝言を言ったので、俺は答えた。

 真帆をぎゅっと抱きしめたんだ。



 * * *



「――あぁ! 寝ちゃった! ごめんね、疲れて君の体の上でスヤスヤって寝ちゃってた。も~、君の体がたくましすぎるせいだよ」


 可愛く怒られて、俺はほっこりした。

 ずっと真帆の寝顔を見れて幸せ過ぎるよ。


 そろそろ夕暮れとなり、日も落ちる。


「一日が終わっちゃうね。そうだ、とりあえずシャワー浴びにいこうか。一緒に」


 マジで。


「さあ、急ぎましょ。洗いっ子するからさ」


 俺を引っ張ってくれる真帆。

 彼女と一緒にいると楽しいなあ――。


 有料シャワールームへ向かう。


「ここだね。ここって100円で長く利用できて安いよねー! それじゃ、まずは君の汚れを落とそうか」


 100円を機械の投入口へ入れ、真帆は水を出した。


 俺を洗ってくれるようだ。

 どうなるんだろう……ドキドキする。

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