不安障害



私が精神科で初めて診断されたのが、この不安障害です。


細かく言うと、私は不安障害の中にある、社交不安障害と医師から言われました。


人と会ったり話したりすることに恐怖を抱き、生活に支障が出る障害です。




不眠症でも取り上げたセロトニン低下とも関係があり、私はうつ病治療と兼ねてSSRIというお薬を最初に投薬されました。


SSRIはセロトニン再取り込み阻害薬というものです。


検索して図で見てみた方が解りやすいと思います。


もしくは抗不安薬が投与されることもあると思います。




漠然とした不安や恐怖、焦燥感などで被害妄想がひどくなったり、パニック発作を起こすこともあるのがこの不安障害です。


ザックリ説明していきます。




まず注意事項から話すのですが、この不安障害、カフェインで症状が悪化することを覚えておいてください。


私が不安の症状が出やすい時、カフェインを少量摂取しただけでも、そわそわと落ち着かなくなったり、漠然とした恐怖感に襲われたり、カフェインを飲んでいない時よりも症状が強く出ます。




まずは心当たりのあるカフェインの入っている飲料や薬に気を付けて、カフェイン断ちを一週間してみてください。


それで変化があれば、カフェインの影響を受けていると思います。




コーヒーはもちろん、紅茶、お茶、栄養ドリンク、痛み止めなどの薬にも入っているものがあります。


カフェインに弱い体質や体調が悪い時だと少量でも注意が必要な場合があるので、まずは自分がどれだけカフェインの影響を受けているのか把握することが大切です。


カフェイン断ちだけでも、不安や恐怖が減ることがあります。




それから、精神的な面では、考えすぎて負のループに陥らないように注意して、注意を別の何かに反らせること、どんなことをすれば自分の注意が逸らせたり、どうすれば気分転換できるのかを知っておくこと。




カフェインと、注意の対象を逸らすこと、まずはこの二点が重要になると思います。




不安、というのは誰しも感じる感情なので、初めて知る方にはそこまで酷い状態になることを想像することができないかもしれません。


具体的に言うと、過度な緊張状態、悲鳴すら上げられないほどの恐怖、体が震えたり縮こまったり、動悸がしたり呼吸が乱れて過呼吸になったり。


バンジージャンプで飛ぶ瞬間のような恐怖が日常に付きまとっているように考えてみるといいかもしれません。




そんな恐怖と何か月も隣り合わせになるのが不安障害です。


もちろん、人により、日により、カフェインの都合によっても症状の程度は変わります。






『気分』と『機嫌』の違いって、説明できるでしょうか?


うつ病も含め、不安障害などは『機嫌』と勘違いされるために、気合いやら努力不足などと勘違いされるのではないか?と私は感じました。


不安や鬱、恐怖もろもろ、これらは『機嫌』ではなく、『気分』です。




似ているけれど、『機嫌』は自分の意思で変えられるもの、『気分』は周りの影響や状態というイメージがありませんか?


『機嫌』は、自分である程度とれて、コントロールが可能な範囲です。


しかし、『気分』は周りの環境や脳の状態など、受け身なイメージです。


ということを踏まえた上で『気分障害』という名称で呼ばれている意味が理解しやすくなるのではないかと思います。




『自分の機嫌は自分でとる』


これは私がよく自分にも他人にも当てはめて考える時の言葉です。


自分の気分を自在に変えるべき、という話ではありません。




怒りが湧いたときなど、人に当たるべきではなく、運動や好きなことなどして発散して、感情的な自分の機嫌をとることを優先するべきだという考え方です。


この考え方は、他人に嫌なことを言われた時などにも応用が利きます。


相手は自分で自分の機嫌の取れていないのかどうかという判断を自分の中で考えられるからです。


機嫌をコロコロと変えて人を操ろうとする人もいますよね。




そして、その機嫌の中に気分は含んでいません。


気分の中に機嫌があるというイメージを私は持っています。


もちろん、機嫌を変えることで気分が引き上げられたり引き下げられたりということもあると思いますが、機嫌を変える時ほどコロコロは変えられませんね。


不安や恐怖、鬱など過剰な症状では病院案件だと、しっかりと分けて考えられます。




『気分』や『メンタル』と使うと、気持ちの問題のような印象がありますが、メンタルが病むという気持ちを覆うように、気分の落ち込みが長期間起きるのが病気というイメージが私にはあります。


もちろん、感じ方は人それぞれですし、診断は医師にはしかできません。


境目はとても微妙でわかりにくく、けれど症状となって出てきたときには明らかに普段と度合いが違うと、本人の中では理解できる感覚です。




気分というのは色で例えると、青から黄や白までグラデーションがあるイメージで、精神疾患の時には写真加工で全体が青系になるのと似ていると感じます。


脳全体に気分の色味が反映されるというイメージ。




説明の難しい話ですが、色味として考えるとこの捉え方なら解るような気がしませんか?


青色の加工をしたら、どんなに明るく振舞っていても青は消えない。


1番上のレイヤーに青があるからです。




それでは、全体が青味がかった気分に赤色の怒りの感情があったらどうでしょう?


濃くなり、重なって紫になりますね。


青色の悲しみの感情を重ねれば、より青は濃くなります。


このように、気分と感情が重なる現象が起きていたら、精神疾患の人への小さな刺激が大きなダメージになることが理解しやすいでしょうか。




それをお薬を使って、青味がかった色を数か月かけて黄や白のような明るい色に、変えていく。


これが気分障害の治療になるわけです。


ベースである気分を上げる役割を薬が担いますが、ストレスやトラウマ、ストレス源などは薬ではなく、認知行動療法の範囲に入ります。




私が患っているのは、対人不安や恐怖を感じる社交不安障害です。


今でも完全に治ったというわけではありませんが、恐怖で外へ出られなくなっていた頃と比べて、今では問題を少し抱えつつも人と話すことに恐怖は抱かなくなりました。


まだ話しかけられる日、話しかけられない日と日によってありますが、カウンセリングでは自分が話すことに恐怖を抱かなくなってきました。


薬で気分を上げ、認知行動療法で話慣れて行った結果がしっかりと出ていますし、こうして情報発信出来ているのも治療の結果です。




パニック発作も何度か起こしたことがありましたが、起こす前からパニック発作の存在や対処の方法を知っていたので、酷くなりすぎないよう呼吸法に気を付けたりなど対処出来ていました。




時間はかかるけれど、ちゃんと治療していけば良くなっていくし、大体良くなればあとは周りの人に頼ったりして大丈夫です。


心配して不安になりすぎることの方が体に悪いので、ゆっくりのんびり、確実に、良くなっていきましょう。




比べるのは他人や普通ではなく、過去の自分とですよ。

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