太陽の騎士、紅港に立つ

〇コッコと集金係の戦闘


・「アナトリアのぉ? ナメクジ女がこんな所に何の用だ?」

・「それ、差別発言だよ? どうせならカタツムリとでも呼んで欲しいね。太陽教では、カタツムリは巡礼者の象徴だから」

・コッコが前に出て、マータと屋台を護れる位置に立つ。

・「けっ。ナメクジだろうがカタツムリだろうがアメフラシだろうが関係ねえ。『女』なら身ぐるみ剥いで花街にでも売り飛ばせば同じこと。買い手はいくらでもつくだろうさ」

・「そう。ボクが異能者と知っても引いてはくれないんだね?」

・「あたり前よ!」

・男たちはプレイヤーを起動し、アーキタイプを着装する。

・LW-02 LITTLE BEAR。違法改造された作業用アーキタイプ。

・「異能者だろうがこいつのパワーがあれば関係ねえ! 四拍子で丸めてやるぜ!」

・そして一斉に飛び掛かってくる。

・再びフォースフィールドによって阻まれる。しかし。今度はアーキタイプのエーテルが徐々に浸食し、フィールドを削り取っている。

・異能者のフォースフィールドは、アーキタイプやエーテルウエポンで対抗できる。

・「なるほど。無策ではないんだ。けれど……」

・コッコもまたMDを取り出し、アーキタイプを起動する。

・OZ-01 Leo。とある天才アーキテクトが制作した起動型アーキタイプ。 

・そして同時に、コッコはフォースの斥力を強め、四人を吹き飛ばした。

・「最後の警告。ただちに武装解除してここから立ち去って。でないとこのまま説得するよ?」

・「やれるものならやってみろメスガキが!」

・「では遠慮なく!」

・コッコの足には、金色に輝く『拍車』のような脚部ローラーダッシュ機構。

・一人目。加速でまっすぐツッコんで膝蹴り。前歯が全部折れる。

・ワンタンを一つ食べる

・二人目。着地と同時に旋回し、右の拍車を脇腹に叩きこむ。肋骨が何本か折れる。

・ワンタンを食べる

・三人目。ようやく反応して腕を振り下ろして来た所を拍車を逆転させバックステップで透かす。腕を踏みつけ前蹴りで顎を砕く。

・ワンタンを食べる

・四人目。背後からタックルを敢行したところで宙返りで回避。そのまま背中へ二―ドロップ。

・ワンタンを食べて、スープを飲み干す。

・十秒もかからず。コッコは四人を制圧してしまった。

・気絶こそしていないが、男たちは戦意喪失して転がっている。

・「すごい……」

・マータ。その動きのすさまじさ。美しさに感嘆する。

・「おじさんありがとう。美味しかったよごちそうさま」

・ワンタンメンを持ったまま戦っていたコッコ。カラになった器を返す。

・「これはこれは。ひどい惨状ですねえ……」

・かつ。かつ。と。安全靴の音をわざとらしくたてて、今度はタコ族の作業服男が現れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る