第6話

僕が猟師のババヤさんにワイバーンをテイムさせたと言う報告に、ギルドマスターのランバートがかなり驚いてテイマー以外にモンスターをテイム出来るか?としつこく聞かれた。

「原則出来ないですがテイムしたテイマーか死んだ場合は可能です。あとは今回はかなり珍しい事なので参考にならないと思います」


ランバートさんが訝しげな顔をした。

「あのワイバーンは僕の弟がテイマーでした。ただ、ワイバーンが余程嫌がる事をしていたのでしょう。ワイバーンが逃げ出してきてのです。そんな状態の場合は例外的にテイムを外す事が出来ます。ただし新しいテイマー(引き受け先)が必要となりますが」


「そうか、リオンの過去をほじくる気は全く無い。だが、教えてくれて有り難う。特別報酬なんだか。辺境都市に行く気は無いか?」


「辺境都市ですか?、でもDランク以上で無いと冒険者は入れないですよね?」


「それもそうなんだか、辺境伯がかなりのスライム好きでな。様々なスライムを集めている。だが、最近スライムを持ってくる商人を疑っている、そこでギルドを通してスライムの事を良く知っているものを探して要るんだ。八方手を尽くしたが中々いなくてな、ギルドマスターの紹介が有ればレベルに関係なく辺境都市に入ることが許される事になった。どうだ、悪い話しじゃないだろう」


確かに悪い話では無い。でも駄目だった時はどすれば良いだろう?


「お話の内容は分かりました。ただ、辺境伯にあって駄目だった場合はどうしたらよいのでしょう?」


「それなら問題無い、辺境都市のギルドでDランクになるまで下積みすれば良い。おれの推薦状はすでに準備してある。実際お前の刀の技術は凄いよ、肉を見ると分かる。無駄な切り方をしていない。あんなのEランクの斬り方じゃないだろう。どうだ、行って見ないか?どうしても都市がいやなら戻って来れば良い。我々は何時でも受け入れるぞ」ランバートさんの笑顔がまぶしい。

1日考える時間をもらった。

確かに最高の申し出だ、だか辺境伯は、あの正騎士のライナーの妹だったはず、それも僕を受け入れる約束をしていた。どうするべきか?でもスライムは気になるな。どうしよう。


結局、丸1日悩んだが結論は出なかった。朝早くに森に入り剣術の練習を行う。普段より丁寧に、自分に問いかけるように時間をかける。

1度頭がすっきりとして気持ちが決まる。辺境都市に行くことをランバートさんに伝える。


ランバートさんから辺境都市の通行証とギルドの紹介状をもらいたい出発した。サンリューチュさんに挨拶をしようとしたが出掛けていて挨拶出来なかった。


ババヤさんに会いに行く。ババヤさんがワイバーンと仲良くやっていて驚いた。


「ババヤさん、ワイバーンはどうですか?」


「リオン、良いところにきてくれた。こいつがリザードマンから村から守ってくれたんだ。だから何か好きな物とかあげたいと思ったんどけど何がいいか解らなくてな聞いてくれるか」

「ワイバーン、リザードマンから村に守ったんだって良くやったな。偉いぞ」 ワイバーンが嬉しそうにゴー、ゴーとなく


「別に足しいた事じゃ無いよ。でもババヤさん凄く褒めてくれるから嬉しくて嬉しくて。ベニスなんか何があっても褒めてくれないぜ。リオン有り難う、こんないい人紹介してくれて」


「ババヤさんがお前に何かあげたいらしいけど欲しい物とか有るか?」

「え、う~ん。じゃリザードマン食べて大丈夫かな?勝手に食べていいか分からなくて食べて無いんだ」

「ババヤさん、退治したリザードマン食べても問題無いですか?」

「そんなもんで良いのか?それなら問題無いぞ」

「ババヤさん、食べていいモンスターの場合は食べて良いと伝えてください。食べれないモンスターは口にしたないのでその時は焼き払うようにお願いします。ワイバーンに伝えますね」

「ワイバーン、このリザードマンは食べていいよ、それと食べて良いのは教えてくれるからしいからちゃんと言う事を聞くんだぞ」


ギャワー「わかった」


辺境都市の近くまで来ると殆どモンスターがいない。アメールの村を出て4日もするとモンスターとあわなくなった。魔属の森と災害の渓谷を離れて向かった訳では無いが。何かあったのだろうか。不思議と誰かに見られている感じもないのに。


辺境都市の端まで来た。入り口に向かい長い行列が出来ていた、どうやら都市に入る手続きをしているようだ。流石に厳しい検問がだ、待つこと3時間ようやく僕の番が来た。


ギルドカードと依頼証明書を出す。かなり胡散臭く思われたのか手続きに時間がかかっていた。

辺境都市のギルドの職員が来て面接をする事になる。ギルド職員がいる部屋に通される。 受付嬢と思われる女性がいた。


前の席に座るように促される。席に座ると兵士が部屋から出た。背も高く気品がある、でも目つきが鋭い。そして雰囲気がある。昔は冒険者だろうか?


「リオン ダシャナさんですね。今回は依頼を受けて頂き有り難うございます。カードと依頼証明書は本物と確認出来ました。それであなたは誰ですか?」


あなたはだれ?突然の話しに驚いて返事が出来ない。

「誰って、どういう意味ですか?僕はリオン ダシャナ本人です」


かなり疑った顔でこっちを見ている。考えられることは家族が死亡を届けをだし、ギルド登録を抹消して僕の存在自体を消そうとしている事だ。


「もしかして僕の死亡届けとか出ているですか?」

「何故、死亡届けが出ていると思うのですか?何かなされたのでしょか?」


真っ直ぐに目を見て聞かれた。 正直に話していいのだろうか?まあ、駄目で元々だ、そうやって生きていくって決めたんだから。


「僕は首都で成人を向かえ、その時に辺境都市に行くように父から言われ首都を出ました。ですが、信頼していた、仲間だと思っていた家族や友人から殺されかけました。

運良くその場は逃げる事が出来ましたが、その後はなんとか生き延びアメール村に少し間滞在してました。

僕がテイマーと言うこともありアメールのギルドマスターから今回この依頼を受けないかと言われて来ました」


「貴方のお父様と信頼していたご友人の名前を教えて頂けますか?」


緊張感が張りつめる。


「父はスカルプ ダシャナ、友人はライナーとマター。この2人は首都の正騎士団所属の騎士です」


「わかりました。貴方のお父様からリオンさんの死亡届け出ています。が、ギルドでは受付を拒んでいました。

先ず貴方が亡くなった証拠が無かったこと。


2つ目、リオンさんが首都を出て直ぐ、ドラゴンテイマーと言われたお父様の元からドラゴンがいなくなりました。 ドラゴンがいなくなったことは問題視されております。


3つ目は弟のベリス ダシャナさんがテイムしたと言われるワイバーンもいなくなっています。

そのうえで我々ギルドは、もし貴方がリオンさん本人だとしたらドラゴンもしくはワイバーン、そのどちらかの居どころを把握していると思いますがいかがですか?」


「弟がテイムしたワイバーンは契約を強制解除しました、現在、別の方がテイムしています。

ですがその居場所まではお伝えする事は出来ません。テイマーがテイムしたモンスターの居場所を言う何て最低の行為ですから、それと父のドラゴンについては初めて聞きました。」


「わかりました。我々が聞いてた内容と同じです。よくぞこの難題を受けて頂きました。心から感謝します」 そう言ってギルド職員が頭を下げた。


「良かったです。すみません。お名前を伺っても?」


「失礼、私は辺境都市のギルドマスターをしている オラン マーサ、オランでいいわ。アメール村のランバートは冒険者だった時の友達なの。貴方の噂は聞いていたわよ」


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