第2話

第5章 工業都市エヴァンザ編 第2話(1)

「最終兵器開発計画、か……随分な大事に巻き込まれたものだな、お前も」

 玄関での盛大な出迎えから、セリナとサリューが紹介され、社員達が業務に戻った後。

 コーバッツ公社・社長室にて、ルベールから事のあらましを聞かされたルグルセンは、息子の似合わぬ蛮勇に、彼の逞しい成長への喜ばしさの混じった重い息を吐いた。

 彼の座る机を挟み、ルベールは代表として、交渉相手であるルグルセンに話を続ける。

「僕達の任務は、計画阻止のために、各地を回って協賛者を募ること。だから、父さんにも――このエヴァンザの実質的代表であるあなたにも、いずれにせよ話は回すつもりでした」

「ふむ……その事前の判断には感謝せねばならないな。おかげでこちらにも考える時間ができた。結論から言おう。我が社はお前の話に――アルベルト公の計画に賛同する」

 決然と言うルグルセンの言葉は、どこか大きな綱引きを経たようにセリナには聞こえた。その疑念を裏付けるように、事情を知るルベールの言葉は続く。

「……ゼルベッツ公社との関係については?」

「無論、その結果も承知の上でだ。我らはこの話を機に、彼らとの対決姿勢を明確にする。このエヴァンザの実権を巡る争いも、今後はより激化するだろう。だからこそ、この町の総意を問う試金石にも相応しいと、私は考える」

 決然と言うルグルセンに、ルベールは呆れたように笑みを混ぜた息を吐いた。

「僕が言えたことじゃないけど、父さんも重責ある立場にいながら随分な無茶をするね」

「勝算があるからこそ乗っている。それに、仮にそれがどれだけ勝率が薄くとも、お前の持ちかけたその話には乗る価値がある、そう踏んだまでだ」

 不敵に笑い返すルグルセンに、ルベールは頼もしいものを覚えて、相好を崩す。

 その後ろで――当然のように置いてきぼりをくらっていたセリナが、悩ましげに言った。

「あー……ルベール、ちょっといい? 何がどうなってそんなにスムーズに話が進んでるのか全然経緯がわかんないんだけど、もう少し説明してもらえる?」

「ん? あ、そうだねごめんごめん。つい身内だからわかったものとして話しちゃってたか」

 セリナの恨めしげな視線に困ったように笑いながら、ルベールは改めて、彼らエヴァンザの住人に関わる事情を説明する。

「聞いての通り、このコーバッツ公社は僕らの計画への賛同を表明してくれた。けど、単純にはそれを喜べない事情があるんだ。この決定はおそらく、この町での対立関係をより激化させることになる」

「対立関係?」

 穏やかならないものを感じさせるその言葉に眉をひそめるセリナに、ルベールは説明を続けた。

「このエヴァンザは、工業特化都市としての土地柄、この公社の他にも多くの製造業者が籍を置いていて、それら企業代表の構成する組合が自治を行っているんだ。自治会では主に各社の市内の市場均衡が話し合われるんだけど、その中でも特に大きな勢力を持っている二大企業がある。それがこのコーバッツ公社と、その対岸に位置するゼルベッツ公社なんだ。この二社は、この町の中でも長い間二大対立勢力として認知されている。端的に言えば、ゼルベッツ公社は保守、コーバッツ公社は革新、って所かな」

「それって確か政治の用語よね。あたしそういうのよくわかんないんだけど」

「そうね……もっとわかりやすく言えば、ゼルベッツ公社は現ベリアル宰相派、コーバッツ公社はどちらかというとそれに対抗するアルベルト公派、ってことだね。王権と親密な関係を築くことを推し進めてきたゼルベッツ公社と、王権からの独立も辞さない姿勢でこの町での立場を確立させてきたコーバッツ公社、その結果がそういう構図なわけ。

 で、元々そういう対立関係にある二社の内、こちら――コーバッツ公社がベリアル宰相に敵対する勢力と結びつきを強めたとすれば、どういう流れができるか、わかるよね?」

 ルベールの問いに、まだ理解が及んでいないセリナに代わり、サリューが答えた。

「当然、相手方は警戒を強めるでしょうね。『魔戒計画』は奇しくも私達と同じ対立関係を持っているこの町にとって、政争を激化させる火種になってしまう……この町の企業や人々の安心を脅かしかねない。単純に喜べないっていうのは、そういう意味ね」

「あー……なるほど、そういうことね。でも、だったらこの話を受けるってことは……」

 気遣わしげな色を見せるセリナに、奥に座るルグルセンが答えた。

「セリナ君と言ったね。気遣いはありがたいが、それを承知で、我々は君達の計画に同意すると言ったのだ。元々我が社はそうした逆境を切り拓くことで立場を勝ち取ってきた社風だからな。今更歴史の節目の一つや二つで動じはしない。それに、君達の話すその計画が本当だというのなら、今はこのエヴァンザが王国の新たな秩序の中で立場を確立させるための先手を打つべき時だということになる。この機を逃すわけにはいかないだろう」

 幾重の逆境を潜り抜けてきた社の歴史を背負うルグルセンの力強いその言葉に、サリューは密かにその意図を吟味していた。

(新たな秩序、ね……さすがはルベールのお父様って所かしら)

 この計画を巡る争いが、王国の、あるいは世界の秩序を書き換えうるものだということを、彼は――ルグルセンは理解している。ベリアルとアルベルトの対立関係が即座にこの町での勢力関係に対応することを見抜いたことからも、その状況への正確な理解が窺える。

 それが大きな争いを呼ぶことまで見通した上で、その立場にある彼が協力を申し出てくれるということは、このアルベルトの計画に協賛することに、大きな信用を与えることになりうる。それは、協力者がまた増えたという事実以上に大きな成果と言える。

 そうサリューが考察を進めている間に、ルベールはルグルセンと話を詰めていく。

「協力の表明、感謝するよ。また迷惑をかけてしまうことになるけれど……」

「気にするな。親が子を助けるのに、詫びなどは要らん。それに、事は我が社と王国の未来を占うことになるような話だ。先手を打てることにむしろ感謝している。それより、お前も目の前の事態に集中しておけ。渦中にいるとなれば、危険も多いだろう」

「父さん……ありがとう。それじゃあ、改めて親書に返答の記載を――――」

「……認めませんわ」

 すんなりとまとまろうとしていたその話に――ルチアの張りつめた声が割り込んだ。

 全員の視線が向く中、ルチアは、唇を引き結んでいた。

「お兄様も、お父様も……お母様がどうして倒れられたのか、忘れたわけではないでしょう? それなのに政争が激化する方に舵を切ろうとするなんて……見損ないましたわ!」

「ルチア……」

 ルベールの呼びかけに、ルチアは逃げるように背を向け、部屋を出て行ってしまった。後に残された四人の間に流れた複雑な空気の中、セリナが疑念と共に口を開いた。

「ちょ、え……どうしたの、あの子? それに、今のって……」

「聞き捨てならないことを言っていたわね……事情を窺ってもよろしいかしら」

 その疑問を引き継いだサリューの問いに、ルグルセンは固い表情でその事情を語った。

「私の妻……ルベールとルチアの母は、今から六年前に亡くなった。七年前の帝国による王都襲撃戦と、その復興に伴うこの町の激務の際に、不幸にも体を崩してね。あの時はルチアもまだ幼かった。どうやら、私達が何もしてやれなかったことを根に持たれているようでね」

 重く語るルグルセンの言葉に、ルベールは言葉を発さず、辛い沈黙がその場に満ちる。

 その、故のない自責に固まったような二人の空気が、なぜかひどくセリナの癇に障った。

「何よ、それ……そんなの、根に持つ方も持たれる方もおかしいでしょ! 事情はよく知らないけど、お母さんを死なせたのはルベールでもお父さんでもないんでしょ? だったらそんなの、逆恨みでしかないじゃない! 恨む理由も恨まれる理由もないじゃない!」

「セリナ……」

 振り返ったルベールの、いつにない弱弱しい眼に、セリナは苛立たしげに頭を掻くと、

「まったくもう、これだから男ってのは……あたし、ちょっと様子見てくる!」

 そう言い置いてルベールに背を向け、ルチアを追って部屋を飛び出した。

 その背中を追うだけのルベールに、サリューが言葉を継ぐ。

「妹を泣かせるなんて、お兄ちゃんとして顔が立たないんじゃない? お父様も、ね」

「全くですな……汗顔の至りです。よい仲間に恵まれたものだな、ルベール」

「……そうだね。いつまでも情けないままじゃ、セリナにもルチアにも合わせる顔がないな」

 萎れかけた意気を奮い立たせ、父さん、とルベールはルグルセンに声をかけた。

「ルチアには後で謝りに行くよ。それと……僕がここに来たのには、もう一つ理由がある。父さんに、確かめたいことがあったからなんだ」

「私に、確かめたいこと?」

 ルグルセンの問い返しにルベールは頷き、言葉を続けた。

「ハーメスの地下にあった裏市場に並んでいた闇兵器は、認めたくはないけど、どれもかなりの技術力だった。それこそ、裏で流通するしかないくらいのね。あれだけのものを造れるような技術者の当ては、ひいき目に見ても王国内にそう多くはない」

「その設計に、我が社が関わっていたのではないか、と?」

「僕は父さんを信じている。けど、どうしても気になってね」

 ルベールの問いに、ルグルセンは厳粛な表情のまま首を横に振った。

「実物を見ていない以上何とも言えないが、お前が見て相当な技術力だと感じたのなら、それは相当の代物なのだろう。だが、我が社はおろか、ゼルベッツの方でもそのような兵器の設計に関与するような動きがあったとは確認されていない。他社による水面下での開発か、外国の技術機関、あるいはそれこそ闇の技術機関のようなものが存在するのかもしれん」

「……そういう機関について、心当たりは?」

「兵器と同じく、実物に関する情報がない以上言及はできん。だが、その闇兵器と技術者の存在についてはこちらでも留意しておこう。技術開発市場の水面下の動きである以上、我が社に関わりがないとも言い切れないからな。何か判明すればすぐに情報を提供しよう。

 いずれにせよ、我が社はその闇兵器開発については関与していない。安心しろ」

 ルグルセンの言葉に、ルベールは表情の影をわずかに緩めた。

「……よかった。助かるよ、父さん」

「構うな。それよりルチアの所に行ってやりなさい。今、あの子を一人にするのは心配だ」

 ルグルセンの言葉に、ルベールは苦いものを飲み下すような顔で、隣のサリューに言った。

「サリューさん、すみません。少しだけ留守にします」

「いいわよ、行ってらっしゃい。可愛い妹ちゃんを泣かせちゃダメよ、お兄ちゃん」

 サリューの言葉に、ルベールは頭を下げると、ルチアとセリナの後を追うように部屋を飛び出した。その背中を見送ったサリューの呟きに、ルグルセンが答える。

「妹思いなのね。しっかりしたお兄ちゃんを持って、ルチアちゃんも幸せ者ね」

「そのように評価して頂いているのなら、あれも光悦の極みでしょう」

 呟き、ルグルセンはルベールについて様子を探るようにサリューに訊ねる。

「サリュエリス殿。そちらの自警団の方では、我が愚息はどのような様子に見えるかね」

「謙遜にしても愚息だなんてとんでもないってくらい、よくできた息子さんね。仕事はちゃんと精確にこなすし、気さくで人当たりも良いし、頭は切れるし、いざという時の勇気もあるし……本当に隙のない、よくできた子。道理でモテるはずよ」

 けど、と、サリューはルベールを心配するように、わずかに表情に影を見せる。

「あの子は、普段から隙がなさすぎる。隙を見せないようにしてるように見える、っていうのが正しいのかしらね」

「ほう……」

 感心するようなルグルセンの声を前に、サリューはルベールの影を見るように続けた。

「いつもしっかりしている反面、あの子は常に外に隙を見せないように努力している気がするわ。内に抱えている歪みが露呈して、正常な自分を保てなくなるのを必死に避けようとしている……あの子はいつも正常であろうとしているのがわかる分、私から見るとそういう脆さが目立ちやすいのよね。本当はもっと隙を見せてくれたり、そういうところに抱えている本音をさらしてほしいのだけど」

「なるほど……よく観察されているな。ルベールもよい上司を持ったものだ」

 ルグルセンの賛辞に、サリューはその表情に一層複雑そうな影を見せた。

「あの子が何事につけても真面目なのは見ていてわかるし、自警団への入団を決めた時のあの子の話を聞いた時から、あの子が人並み以上のものを抱えるのは知ってた。その志の高さは立派だと思うし、素敵な所だと思うわ」

 呟き、ルベールの背中を思うような目をして、サリューは小さく息を吐く。

「けれど、独りで多くのことを抱え込みすぎれば、いずれ身を滅ぼしかねない。あの子には――ルベールにはそういう危うさがある。だからいつもあの子の様子を気にして、傍で見ているようにしていたんだけど……その理由も、ここに来たらだいぶ見えてきた気がするわ」

 言うと、サリューは穏やかな目でルグルセンを見た。

「あの子は――ルベールは、いいご家族を持ってる。そして、お世話になっているそのご家族や仲間に報いるために、自分にできる最善を探して、懸命に毎日を戦おうとしている。その責任感の強さも彼の美徳なのだけど、それで身を滅ぼしちゃ元も子もないのにね。家族や仲間がそれを気にしていることさえ自覚してくれればと思うし、それを理解するだけの頭も持ってるんだろうけど、なかなかそれを認めようとしてくれない……そこが憎いのよね。少しくらい心を許して甘えてくれてほしいのだけど」

 ふぅ、と嘆息するサリューに、ルグルセンはひとしおの感慨と共にサリューに言った。

「随分と息子を気に入ってくれているようですな、サリュエリス殿」

「そうね。彼が近くにいてくれると何かと安心できるわ。彼を今回の旅業に同行させたのは私だしね。まさかこういう形でご実家を訪ねることになるとは思わなかったけれど」

 彼の助けを思い起こす一方で、サリューは彼の身を案じるように重い息を吐いた。

「彼には、自分の問題を自覚する力がある。有能で、問題を解決できるだけの力があるから、放っておけば何でも一人で解決しようとしかねない。だからこそ、彼を一人にしたくないの。彼の身を案じているから……あるいは彼の力を信じているから、なおさらね」

「脱帽ですな。貴女のような方が味方についていてくれているとは、ルベールも幸せ者だ」

「買い被りすぎよ、お父様。私達だって彼には世話になりっぱなしだもの。助けてもらった分を返すのは、仲間として当然のことよ」

 ルグルセンの言葉に、サリューは真っ直ぐな目でルグルセンを見た。

「いずれにせよ、あなた達ご家族に会えたことで、あの子の抱えているものにもだいぶ近づけそうな気がするわ。よければ、あの子の抱えている問題を解くのを助けられるよう、私達にも協力させてもらえないかしら」

「願ってもない言葉だ。あなた方のような良き仲間の助けを得られるならば、ルベールもルチアも一歩前に進めるかもしれん。御助力の申し出痛み入る、サリュエリス殿」

 感謝の意を表しながら、しかし、とルグルセンは不思議そうに問いを投げる。

「貴女はルチアに会ってからここまでの少ない会話の中で、いかにしてあれの問題を察しなされたのだ?」

「まあ、あの子ともそれなりの付き合いだし、それにあれだけわかりやすい妹さんがいらっしゃるから、察しはつくわ。もっとも、それを一番自覚してるのは彼でしょうから、もう少し話を聞きたいところだけど」

 そう言って、サリューは真実を探る目でルグルセンを見据えた。

「ルグルセンさん。ひとまず、こちらの計画に賛同してもらえることには代表代理としてお礼を申し上げるわ。その上で、お節介だとは思うけれど、よければあなた達ご家族の抱えている事情について、お話を聞かせてもらえないかしら。強力な協力者、それも身内のことだから、できるだけあの子やあなた達のことを理解しておきたいの」

「それも道理ですかな。あまり吹聴するような話ではないですが……あなた方は今や、我が社の重要な協力者だ。互いの権益のため、お望みとあればお話ししましょう」

 サリューの要請に同意を示し、ルグルセンは重い息と共に語り出した。

「先程も話しましたが、私の妻、つまりルベールとルチアの母親は、六年前に亡くなりましてな。当時の私はゼルベッツ社を始めとする各社との政争に忙殺されていて、ろくに家内にかかってやれなかったのです。ルチアとルベールが気にしているのも、そのことでしょう」

「……奥様は、体が弱かったの?」

「彼女は魔女の血筋でしてな。七年前の国難に際し、急激に体調を崩してしまったのです。医者に診せても、精神的な要因によるものらしく、彼女の病状にはなす術がなかった。それでも、せめて私が少しでも傍にいてやることができれば、彼女も子供達も心安らかでいられたかもしれない」

 重い過去を思い返したのか、ルグルセンは視線を机の上に落とす。

「私は、公社とエヴァンザの再建のために、家内を見殺しにしたようなものです。それが結局、ルベールやルチアの心に深い傷を負わせてしまった。今もあの子達がそのことを忘れていないのならば、それは私の負うべき責でしょうな」

 言葉に影の落ちるルグルセンに、サリューは呆れた息子を見るように言った。

「子供が子供なら、お父様もお父様なのね。あの子達があなたを恨んでるなんて思うの?」

 緩慢に目を上げたルグルセンに、サリューは彼女が見る限りの事実を言った。

「私から見てだけど、あの子達はあなたを恨んでいるようには思えないわ。お母様を失ったことは悲しいことだと思うけれど、あの子達はそこから前に進もうとして一生懸命努力しようとしているように見える。だとしたらそれは、お母様の存在が今もあの子達の中に生き続けていることの証拠じゃないかしら。会ったことはないけれど、きっとあの子達が頑張っている姿を見ているお母様は、天の上で喜んでくれていると思うわよ」

 そして、目の前の父親に若い息子の姿を重ね合わせながら、助言するように告げた。

「だから、あなたはあの子達に恥じないよう堂々としていてあげた方が、あの子達も安心して頑張れると思うわ。過去から前に進もうとしているのは、あの子達もあなたも同じ。なら、精一杯前を向きましょう。それがきっと、あの子達のためにもなるはずよ」

 サリューの言葉に、ルグルセンはゆっくりと重い表情を崩して、ふふ、と小さく笑った。

「貴女は不思議な方だな、サリュエリス殿。まるで聖女のような慧眼と慈愛を感じる。ルベールが貴女に心酔するのも、何となくだがわかる気がするよ」

「そういうあなたの物言い、何だかルベールにそっくり。やっぱり親子なのね」

 茶化すように返しながら、サリューは、でも、と、表情に微かに懸念の色を帯びさせた。

「そうは言っても、ルチアちゃんは少し心配ね……それにルベールも」

 ついでに言えば、そこに巻き込まれようとしているセリナも。

(何事もなければいいと思ってたけど……この調子だと、そうもいかなさそうね)

 胸の内に懸念を抱きながら、サリューは部屋を飛び出した三人の若者の行末を思った。

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