ふっかつのじゅもん

モノクロームの世界を

片眼鏡モノクルで覗いてみても

現実リアルはまるで変わらない


毒林檎を囓った白雪姫

毒が全身を回って


もう手遅れ


「ふっかつのじゅもん」

ささやいて


「あなたのこえをきかせて」

きかせて


「じかんをまきもどして」

ねじまわして


空白の時間

振り返ってばかり

一人の夜に震えてばかり


眠るのは一人

起きても一人


私には似合わない

ガラスの靴を残して


「ふっかつのじゅもん」

ささやいて


「あなたのこえをきかせて」

きかせて


「じかんをまきもどして」

ねじまわして



千里を覗ける

片眼鏡モノクルなんかいらない


「まほうのじゅもん」

ささやいて


LINEライン越しじゃイヤなの

あと五日

とても待てない


傍で

耳元で

私の隣で

ささやいて


「ふっかつのじゅもん」

ささやいて



________________


作者蛇足

中距離恋愛

あるいは

週末織姫

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