ままならない、だから支え合う。人間だもの。

優しいけどちょっとだけ頼りない彼と気が強めでグイグイ引っ張ってくれる頼れる彼女。結ばれてラブラブになったカップルが、彼側の元カノと子供が登場した事により不穏な事になってゆく。この物語は、そんな二人と周りの人達を描く群像劇です。

凄くリアルな人間描写と、幸せな序盤から不穏な因子がジワジワと侵食して幸福にヒビが入っていく様は、心苦しいながらもページを読み進めるのが止まらなくなる程、引き込まれます。
そんなリアルな人間描写の理由として、この物語の登場人物達は、みな一枚岩ではありません。
「あ、良い人かな?」と思った人が酷い事をした過去や後悔を背負っていたり、「なんやコイツ!!」って思った人も誰かの支えになっていたり。
誰かしら良い所も悪い所も抱えている為、完璧な善人や悪人が少ないのです。
でも、だからこそ。人と人が支えて前に進む姿には感動があり、読む人の胸を打っているのだろうと思います。みんな幸せになりたい、それだけなのに……!!ままならないけど、愛しい。それが人間。そう思わされる作品です。

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