第3話

「なになになに?」

 見渡せど、見渡せど、大量のハムスターが一斉に出て来た。


「皆、準備はいいか」

「「「OKだ!」」」

 ハムスターたちは咆哮をあげる。

「行けぇ!」

「「「おおお!」」」

 仁枝の体に、ハムスターたちは、次々とかじりついた。


 かじりつかれた仁枝は、襲われたことを自覚して、足を振り、ハムスターたちを自分の体から引き剥がした。


 ハムスターたちは、足の振りで一気に払い退けられた。

「「「のわわ!」」」 

 10数匹が地面に叩きつけられて、負傷することにった。

 幸い死者は出なかったものの、叩きつけられたハムスターたちは、傷だらけだった。


 ハムスターたちが傷を負ったのに、すぐさま気付いた仁枝は、からだの動きを止めた。


「何だ?動きが止まったぞ?」


 仁枝は、どうしたら害を加えることをしないと伝えられるか考えた。

 考えた結果、野生を忘れた獣は、腹を見せることを思い出し、仰向けでゆっくり倒れることにした。ハムスターたちを踏み潰さないように。慎重に。

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