サボりと休息の認識は人それぞれですよね。

前略

猫に頭突きされたことあるお父様

イケメンが真剣な話しているのに、後ろが気になって仕方ありません。



★異世界にトリップしましたが、何の能力も無くて生きるだけで精一杯です!★



「聞いているのか、タチバナ。

先程から上の空だぞ。」


ついにホワイトさんに話をしっかり聞いていないことがバレてしまったようだ。


「すみません。

後ろの課長たちが気になってしまいまして。」


「カチョウ…宰相の事か。

宰相は今日は仕事だから、祭りには来てないはずだ。」


あの人、仕事だったのか。

だからスミスさんが課長の腕引っ張ってるのか。

お互いの力が互角なのか、一歩も動かない綱引きを見ているようだ。


縄は課長の腕だが。


痛く無いんかな?


私が後ろを見ているのに気づいたようで、ホワイトさんも後ろを振り向いた。


----------------------------------------


「良い加減にしてください!!

あなたの仕事、どれだけ溜まっていると思っているんですか!!」


「スミスくん!!

人間、仕事ばかりでは効率も悪くなるし心のゆとりも無くなってくる!!

ある程度の休息は必要なんだよ!!」


「あなたは休みすぎです!!

数日前にも紅茶の茶葉買いにいきましたよね!!


買ったら1ヶ月まじめに働く約束ですよ!!」


「だって、今日はタチバナくんとホワイトくんのデートだよ!!

様子見してあげなきゃ!!」


「それを!!余計な!!お節介と言うのですよ!!」



うん、2人して叫んでるね。

ホワイさんと少し近づいただけで、内容めちゃくちゃ聞こえてくる。


スミスさん怒りすぎてなのか顔真っ赤だよ?


「宰相、何をしているんですか。」


見兼ねたホワイトさんが声をかけた。

2人は同時にホワイトさんを見た。

1人は見つかった!?と言いたげな表情

もう1人は助けを見つけて安堵したような表情だ。


「いやー、これはね…」


「貴方は本日勤務のはずでは…

またサボりですか?」


「違う!

祭りで何か良からぬことが起こらないように見回りをしていたんだよ!」


「いえ、サボりです。」


課長が言い訳をし出したのをスミスさんは即座に否定した。

息ぴったりですね。


「見回りは騎士の仕事です。

貴方の仕事ではないですよね。」


「それはそうだけどー。


…ん?」


口を尖らせてなんとか言い訳を考えていた課長が突然、ホワイトさんを上から下まで何度も確認するように見出した。


「ホワイトくん?

なんで、騎士団の服きてるの。

今日、休みだよね?」


手をプルプル震わせながらホワイトさんの服を指差して課長は質問をした。


「休みです。

しかし、今日はタチバナの護衛をしているので制服を着ました。


護衛するには制服が一番効果的かと思いました。」


ホワイトさんの言葉を聞いて、課長は手だけでなく全身を震わせ始めた。

漫画とかでよく見る【これからキレます】の表現みたいだなー。


「いやいやいや!!

ないよ、それはないよホワイトくん!!


いくら皆んなから鈍感野郎、無表情冷徹野郎と言われてる君でもこれは無い。


女性がおめかししてるんだよ?

なのに制服、制服ってないわー。


乙女心のおの字どころか存在すら知らないのね!君!!」


キレたわ。

すっごい勢いでホワイトさんに詰め寄ってる。


ホワイトさんは詰め寄られても表情一つ変えずに課長を見つめて口を開いた。


「乙女心って、人の心など分かるわけないじゃないですか。」


うん、そう言う事を言いたいんじゃないと思うな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る