デートと言うには気持ちが伴わないです。

前略

嫁をアニメ好きにしたお兄様

妹はコスプレの恥ずかしさで死にそうです。


★異世界にトリップしましたが、何の能力も無くて生きるだけで精一杯です!★


ルゼルたんにこちらの世界の事を少し教えてもらったが本当に自分のいた世界とは違うんだなとつくづく思う。


因みに、妖精が見れるようになるのは稀らしいので諦めた。


毎日清められた水とお菓子をお供えして怒られないようにするのが精一杯だ。


ルゼルたんに周りの妖精の反応を確認してもらったが、反応はイマイチだ。


「飴よりクッキーがいい!」

「お皿が可愛くなーい!」

などなど…


え、不満?

何でこんな不満ばかりなの?

コミュニケーションとれない腹いせなの??


とりあえず、水とお菓子は毎晩置くが朝には無くなっているので良しとしよう。

良しとするんだぁ!


さて、本日は精霊祭である。

目の前には課長が楽しそうな顔がある。


そう、衣装ができたのだ。


青と白のシフォンっぽい生地が主体でフィッシュテールのワンピースだ。

可愛い、可愛いのだが可愛すぎて気後はしてしまうよね。


そして、課長の後ろに控えてるメイドさん2人が怖いのです。


「さて、タチバナくん!

おめかしの時間だよ!」


「ワンピース だけで十分です。

用意してくださり、ありがとうございます。」


「そんなこと言わずに〜!!

せっかく可愛く作ったんだから、おめかししよ!


ティアラも用意したよー。」


日に当たるとティアラがキラキラ光る。

ひとつだけ青い石が嵌められていて、シンプルだが洗練された感じがする。


たぶん。


「いくらしたんですか、これ。」


「ん?まあ、たいしたことないよ!」


これは絶対お金かかってる気がする。

だって、ワンピースも何か触りごごち良いもん!


「こんなお金かけて…」


前回のお金だって返せてないのに…


「これは私からのプレゼントだよ。

私が渡したかっただけだから、受け取って欲しいな。」


私の暗い雰囲気を察してフォローに入る課長…

やはり、このイケおじ…モテるな。


「…素敵なワンピース、ありがとうございます。」


「うんうん!

君が貰ってくれなかったら私が着る羽目になるところだったよ!」


「課長、モデル体型だけど背が高いから着れないと思うんだが??」


「流石に冗談だよー!

あと、ホワイト君とのデートだからね!

たくさんおめかしできるように侍女を呼んでおいたよ!」


ああ、後ろのメイドさんはおめかし部隊なのね。

無表情で課長の後ろに控えてるから怖かったです。


「デートじゃないです。」


「男女2人で出かけるのに?」


「それでもデートじゃないです。」


「頑なだねぇ」


しょーがないなぁ見たいな顔してますが、気持ちはデートじゃないからぁ!

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