恥ずかしには変わりないけどね!

前略

孫にデレデレなお父様

娘はイケメンと祭りに行くことになりました。


★異世界にトリップしましたが、何の能力も無くて生きるだけで精一杯です!★


精霊祭は2週間ほどやるお祭りで春の時期にやるお祭りらしい。


若い子は精霊の仮装してお祭りを楽しむとのこと。

日本の夏祭りとハロウィンの掛け合わせみたいな存在だね。


「私も友達と精霊の仮装していく予定なんだけど、マシロも行く?」


アニーに精霊祭について聞いていると、お祭りに誘ってくれた。

しかし、ルゼルたんにホワイトさんを誘ったと言われてしまったので、無理なんだよなぁ。


「ごめん、他の人と一緒に行く予定なんだ。

アニーの精霊の仮装は見たかったけど。」


「そっか!

見かけたら声かけるね!」


「ありがとう。」


うん、29歳に精霊の仮装って辛いしな。

どんな仮装か知らんけど。


「そういえば、ジョンソンにしつこく言い寄られてない?」


「うん、大丈夫!

夜に送ってくれるだけで何も無いよ。

帰り道に少しお話しするくらいかな。」


なんと、ジョンソンは帰りに送っていく許可を頂けたらしい。

次の日の早朝に部屋のドアを連打したことを今でも許さない。


「そっか、なら良かったよ。」


「まあ、私には本命様がいるからジョンソンには靡かないけどね!!」


「本命様ねぇ…

どんな人なの?」


「すっごい素敵な人!

正直、私では釣り合わないと思うんだけどね。」


アニーはそう言うと少し顔を伏せた。

あ、これはあれだ良くない雰囲気だ。


「釣り合う釣り合わないよりはさ、お互いが大事にしあえるかだと思うんだよね。


周りからの評価は気にしなくていいよ。」


マジでこれは何事もあてはまる。

周りの評価気にしてると自分が沼に沈んでいく気持ちになる。


「ま、気にしないようにするのも難しいんだけどね。」


私の言葉にアニーは笑った。


「ふふ、アドバイスした本人が難しいって言うの?」


「経験談だよ、恋愛じゃないけど。

気にしないようになるまでめちゃくちゃ時間かかった。」


うん、アニーは笑ってる顔が一番可愛い。

間違いない。



今日の仕事を終え、部屋に帰ると課長が私のベッドで寝ていた。

いや、前もあったな。


とりあえず、ベッドから落とした。


「いったああ!」


痛がっている声が聞こえる気がするが気のせいだな。


「タチバナくん!

ベッドから落とすのは酷くないかい!?」


「勝手に人のベッドに寝るのは酷くないですか?」


「いいの!!

宰相だし!!偉いから!!」


「パワハラですか?」


課長は拗ねた!!

イジイジしてるぞ!!


「とにかく、本題に入ろう。

ホワイトくんと精霊祭いくんだろう?」


「何で知ってるんですか?」


「まあ、宰相だから。」


宰相だからって何でも知ってるわけないだろうが!!


「精霊の服、用意したいんだけど好きな色ある?」


まさかの展開だ。


「あの、私もう29歳なんですよ?

この歳で仮装も恥ずかしいですし…」


「なんで?」


「え、あの、年齢的に恥ずかしい…」


「綺麗に着飾るのに年齢は関係なんじゃないかな?


どんな年齢でも楽しむ事はいい事だし、年齢を理由にするのは勿体無いよ。


それを笑うやつがいるなら、そいつの事なんて忘れてしまえ。」


課長の言葉に、思わず押されてしまった。

他人の評価を気にするなって言った割に、年齢を気にしすぎていたんだなって。


「あの、青と白が好きです。」


「アオトシロ?

なにそれ?!」


雰囲気ぶち壊しだぁ!

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