確認し忘れが無いかを確認したほうが絶対にいい。

前略

日本酒一升瓶を抱えて寝てしまうお母様

イケオジ宰相はお茶目さんタイプでした。


★異世界にトリップしましたが、何の能力も無くて生きるだけで精一杯です!★


「マーティン様、女性の部屋に遊びに行くのはダメですよ。

今日以外は侵入禁止です。」


「えー!!

せっかく話が聞けそうな異世界人だよ!!

色々話聞きたーい!!」


スミスさんの話に課長がぶりっ子しながら怒ってる。

顔がいいからって許されると思うなよ。

ギャップ萌です。ありです。


スマートなダンディ系のおじ様がノリ良い女子高生みたいだ。


「あの、私チェス出来ないので持ってきてもお相手できないですよ?」


「え!?じゃあ、茶菓子持って来るから!!

お話だけしよ!!

ホワイト君との馴れ初めも聞きたいし!!」


勢いが凄くない?

唾飛んでるからやめてくんないかなー。


「馴れ初めもなにも、保護してもらい、城まで案内してもらってイマココ状態ですよ?」


「嘘だよー。

ホワイト君、こんなに親切じゃないよ?


他の異世界人には自分から近寄りもしないよ。

向こうからくるけど。」


「はあ、最初あやしい人物に見えたみたいなんで監視とかの意味合いじゃないですか?」


「えー、ホワイト君アプローチ下手なの?

もっとグイグイ押した方がいいよ?」


「何のアプローチかよく分かりませんが、押せば良いんですね?

どの辺を押せば良いですか?」


そう言ってホワイトさんは私の体を横に押して来た。

ちょ、やめ!

押す=物理じゃないから!!


「ホワイト君、色々違うよ。

物理じゃ無くて精神面の話ね。」


課長が指摘するも、ホワイトさんは分からんって顔をして首を傾げた。

イケメンなので目の保養なんですがね、いい加減、押すのやめなさいよ。


「ホワイト君が他の人より優しい雰囲気で接してるのは確かだし…」


課長は私とホワイトさんのことを見ながらブツブツ呟いてる。

その間もホワイトさんは「ここか?」って言いながら押してくる。


背中を押すんじゃありません。


「うん、ホワイト君!

出来る限りで良いから彼女を頼むよ!

魔導騎士団の仕事もあるから、無理しない程度にね!」


課長からの言葉を聞いて、ホワイトさんは私を押すのを辞めた。


「承りました。

使い魔ルゼルをタチバナの護衛にしますので、私の業務に支障は出ないかと思います。」


「うん、君は本当に察せない男だね。

追々教えてあげるね。」


「マーティン様、場合によってはそれもセクハラに入ります。」


「まっじー!!」


3人で円陣を組むようにヒソヒソ話し出した。

やめろ、いらないお節介をするんじゃない。

課長は私とホワイトさんの仲を深めたいみたいだが、生憎、そんな暇はない。


早く帰れるに越したことは無いが、帰れない保険は必ず必要だ。


ん?

んんん?


「あのー、今更なんですが…

異世界人って元の世界に帰れたって前例ありますか?」


私の言葉に全員振り向いた後、3人はお互いの顔を見合った。

3人はひとつ頷くと、課長が前に出た。


「前例はないよ!!!」


てへぺろ★みたいな顔をした課長と目が合う。


一番大事な事、確認し忘れるとか!!!

もう、だめだ!!!

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