エピローグ 相棒

エピローグ


_____それからもう2年が経とうとする。



彼は “あの日” 以降、ウザいほど明るくなった。


_____そう、本当にウザいほど。



「ユ〜キっ!」


背後斜め上から、ドスン、と体重がかかる。


突然乗り掛かられた俺は、思わずよろけた。


押し潰されそうになりながら、俺は飛びついてきた人物に叫ぶ。


「重いんだよ!

自分の体重考えろ、シオン…」


彼は俺の肩の後ろから顔を出し、口を尖らせた。


「別にいいじゃないっすかぁ、ユーキ…あったかいんすよ〜。

あ、これ俗に言う赤ちゃん体温とか言うやつじゃないっすか?」


彼は離れるどころか、余計に俺に体重を預ける。


「良くねぇよ…重い…苦しい…」


シオンが高身長なせいで、ほとんど上から包まれている状態だ。


俺は彼を無理やり押し離した。


これだけ俺に拒否られたというのに、彼は悪びれもせずにヘラヘラと笑っている。


「はぁ…」


俺は大きなため息を付いた。



…本当、こいつ明るくなったよな。



今のシオンを見たら、彼の入隊理由が“夢喰いにため”だっただなんて、誰が信じるというのだろうか?


今じゃ俺の方がシオンの能天気さに引き摺り回されているというのに。


「ユーキ、どうしたんすか?

浮かない顔っすけど。なんか変なの食べたんすか?」


彼が俺の顔を覗き込んだ。


曇りの無い、青い瞳に見つめられる。


そこに、かつての暗闇は残っていなかった。


俺は、あえて冷たく答える。


「大丈夫だよ、本当に」



…そう、もう大丈夫だ。俺も、シオンも。



「そっか。

それなら良かったっす」


彼は屈託のない笑顔を見せた。


それは、あまりにも純粋で…眩しい笑顔。


「…まあな」


俺も思わず笑い返した。







もし、シオンがまた辛いことに会っても、絶対また救い出すからな。


俺がシオンの前からいなくなるその日まで、何度でも。




だって、シオンは俺の_____










もし、優希が何かを抱えてるなら、今度はぼくが絶対に救ってみせる。


たとえ、ぼくが辿る未来が、望んだ未来じゃなくても、ずっと。





だって、優希はぼくの______













_____世界でたった一人の、なのだから。









And the future of my partner is________





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