第27話

「そういえば、花蓮は今日の球技大会の種目は何に出るんだ?」

「私は、バレーですね」

「そっか。頑張ってね」

「はい」

「花蓮が優勝したらなんでもしてあげるよ」

「ほ、本当ですか?」

「うん。まぁ、花蓮がそれだけ頑張ったってことだしご褒美貰ってもいいんじゃない?」

「本当に、本当ですね」

「そんなに念を押さなくてもしてあげるよ。まぁ、別に優勝しなくても頑張ってるだろうし、ご褒美はあげるけれど」

「分かりました、じゃあ頑張ってきます」


 なんだろう、花蓮が過去類を見ないくらいに燃えている。


「う、うん。また家でね」

「はい」


 そう言って、いつもの場所で花蓮と別れて僕は一人学校へ。


 教室の中へ入ると、みんな授業が無くて、開放感でいっぱいである。


「桜、おはよ。一緒にサッカー優勝しような」

「うん。頑張ろう」


 素早く着替えを済ませて、そのまま運動場へ。


 他クラスや学年の人たちはそこそこ集まっていたので僕たちも急いで列に並ぶ。


 女子は体育館で開会式でやるみたいなので別だ。


 準備体操を入念にして、それぞれする競技の場所へと行く。


 一回戦の相手チームを見ると体育の授業でやったチームだ。


 だけれど、そういえばあの僕を転ばせてしまった人はどこにいたんだろう?今日はせっかく本番なのに。


 風邪とかなのかな?


 そんなことを思いながらも先生の笛の合図で始まった一回戦。


 如月と僕の連携で、相手の守備網を搔い潜り一点をゲット。


 だが、相手もさらに用心深く守備をするようになり、点が入り辛くそのまま試合が終了し、どうにか1-0で勝つ。


「危なかったね」

「そうだな。よっし、次はもっと大差で勝つ」

「そうだね」


 僕たちはそのまま勝ち上がり午前は全勝で終わった。


 クラスはというと、野球は二回戦までは勝ち進んだけれど三回戦で負けてしまい、バレーは桜木さんのクラスと当たって一回戦で負けてしまったみたい。


 あと残っているのは、サッカーと女子の卓球だけだ。


 午後も頑張って優勝を目指そう!!


 そう意気込んでいたが......


「強すぎるんだけれど」

「こりゃチートだわ」


 相手のクラスには、かなり上手なサッカー部の人がいて、その人に一定のファンもいてかなりの劣勢の中戦い,負けてしまった。


「せめて、決勝には行きたかったなぁ」

「そうだね」


すごく悔しかったけれど、サッカー部の人がいない中僕たちはかなり頑張れていたと思う。


「桜、一緒に女子のバレー見に行こうぜ。あの花蓮ちゃんがいるクラスも残ってるらしいぞ。あと桜木楓さんのクラスも」

「いいよ、分かった」


 桜木さんと楓のどちらも残ってるなんて。


 体育館に行くと、桜木さんのクラスが丁度勝ち上がり、次は決勝だ。


 対戦相手は、花蓮のクラスみたいだ。


 どちらが勝つんだろう。

 



 


 

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