第2話交際開始

僕はあなたの告白に驚き、「UNOの罰ゲームじゃないよね?」と、素っ頓狂な事を口走りましたよね。でも、あなたは違うといいました。

僕みたいな陰キャに、彼女が出来るとは夢想だにもしていませんでした。

返事は「いいよ」と、言ったけれども、女子とどう接すればいいのか解りませんでした。

友達ではなく、に。

その時代は、スマホなんてないから、居間の家電で電話するしか僕には方法が無く、学校内だけでの付き合いしか考えられませんでした。

当時、コンビニでバイトしており、給料は熱帯魚と釣り竿にしか使わないと決めていたので、流行りのポケットベルなんか興味ありませんでした。

だから、バイクはバスセンターの駐車場に停めて、一緒に登校しましたね。

帰りも、あなたは茶道部に入り一緒の時間にしましたね。


僕は女子と手を繋ぐことが苦手と言うか恥ずかしかったので、交際が始まっているのに、告白されてから3ヶ月、並んで帰るだけでしたね。他愛のない、友達の恋愛話をしながら。

僕は女子より、キョンシーごっこが好きだったので、あなたを大事にしたいと言う気持ちよりも、0.5ゲーム差でキョンシーごっこの方が好きでした。

たまたま、うちは父がトラック運転手、母が介護職員だったので、親がいない夜はよく電話をするようになりましたね。今日会って、明日も会うのに、何故か電話しても話題が尽きないのは不思議な感覚でした。

そして、あなたの言葉、「羽弦君、手を繋いで歩こうよ!」をきっかけに登下校は手を繋ぎ歩きましたね。

あなたの手を握った瞬間、キョンシーごっこは11ゲーム差が広がり、首位は手を繋ぐになったのです。

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