第2話 大学院への別ルート


 俺は有酸素運動をしながら暗記すると頭に入りやすい事を知り、廊下を歩きながら暗記をしていた。


「細胞、単細胞、多細胞、細胞分裂。細胞が分裂する前は単細胞で、分裂した後は多細胞か。」


 答えを見るが全部間違っていた。


「ああぁぁぁ。無理だ。こんな大量の単語を1ヶ月で暗記なんて出来ない。」


 そんな弱音を吐いていながら、歩いているとある貼り紙を見つけた。それはランク別の任務をクリアする事でポイントを獲得でき、そのポイントが一定数を超えると大学院に入ることができるというものだった。


「これは、大学院に入るチャンスだ! やるしかない!」


 俺はこれに参加するため、すぐさま職員に話した。

 だがそんな事を許してはくれなかった。


「実技も学科もできないようなやつを、任務に行かせられるか! もっと上達してから言いにきなさい。」


 そんな事を言われている俺の後ろに、リヤが現れた。


「お前、任務行こうとしてんの? ちょっと俺を驚かせれたからって調子乗りすぎじゃね。あんま調子乗ってると痛い目見せるぞ。」


 そう言いその場をさってしまった。

 俺はそんな事を言われても1のダメージも喰らわない。


「そんなに俺を止めるなら勝手に任務に行ってやるよ。」


「おい! ちょ、やめろ!」


 俺は職員の言葉に一切耳を傾けずにその場を去った。

 そうして俺は今来ている任務の内容を確認しているとある事に気づく。それは任務を行うには2人以上のパーティーを組まなければいけないということだった。俺はまだパーティーを組んでいなかった為今すぐに任務に行くことはできなかった。


「まじか……。はやく相手を見つけないと。」


 だが俺は、魔法が使えずいじめられてたこともあり、組んでくれる人どころか仲の良い友達すらいない。そんな俺とパーティーを組んでくれる人なんて居るのだろうか。


 すると、さっき任務に行く事を止めてきた職員が走って来た。


「おい! わかった! しょうがない。そんなに任務に行きたいのなら俺に魔法を使って見せろ。それで場合によっては許可してやる。」


 なるほど。これなら俺が任務に行けることは確実だ。なんてったって学科は出来なくても問題がないということだからだ。


 すぐに俺は職員の指に出来ていたささくれを直して見せた。


「え? こんなに早く? そんな魔法が使えてたのか?」


 驚いたような顔で俺に言う。


「だが、任務は治療だけじゃない。 行くことは許可するが、十分に気をつけると約束しなさい。」

 

 そう。任務は治療だけじゃなく、戦闘のものや採掘の物がある。なぜかというと、依頼先が戦争中だった場合たとえ医師だったとしても多少の戦力は必要になったり、自分の必要最低限のものを自ら採取や採掘をして補えなければ依頼先に迷惑がかかってしまう。

 この学院ではそのようなことも考慮しつつこのような任務を取り入れてるらしい。


「わかりました。約束します。」


 俺は真剣な顔でそう言った。

 


 そして俺はパーティーを組んでくれる人を探し始めた。

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