なんか思ってたのと違う
「おぅおう!そこの兄ちゃんちょっと待ちな!」
兄ちゃんなんていくらでもいるしな。俺じゃないだろ。
「そこの豪華な服着て、ちっちゃい可愛いの連れてる兄ちゃんだよ!」
ちっちゃい可愛いだと!?間違いなくキュランのことじゃねぇか!(親バカ)
「何か用か?」
この手の奴らは今までも何回か会ったがたいていろくな奴らじゃないからな…
「「「ありがとう!!!」」」
???
「俺らは三つ子なんだけどよ、ストロファストに母ちゃんがいて、今まで一月に一度仕送りをしてたんだよ。」
「それが南の森に出たっていう化け物のせいで2ヶ月仕送りもできなかった状態で、どうしようかと途方に暮れている時に、」
「神殿に化け物が討伐されたっていう神託が降りてな。そこにあんたが南の門から入ってきたって情報がハベルクから入ってきたんだ。あんたなんだろ?化け物を倒してくれたの。改めて礼を言うぜ!本当に…」
「「「ありがとう!!!」」」
神殿に情報入るの早くないか?いや、俺がログアウトしてる間に入ったのか。ハベルトってのは門番のお兄さんかな?まぁ、感謝されるぶんには全く問題ないな。てかこいつら、モヒカン棘パッドのくせに良い奴らすぎるだろ!何なんだ一体…
そこに、他の冒険者が驚いているのが聞こえてきた。
「本当にあいつが討伐したのか!?」
「あぁ、『ソフトタッチ三兄弟』が言ってたから間違いねぇ。」
こいつら『ソフトタッチ三兄弟』って呼ばれてんの!?この見た目で!?どう見てもハードタッチだろこれ。
なんてことを考えていると、上の階からギルドマスターと思しき人が降りてきた。
「そこのキラキラしてる人!上の階で話聞くから上がってきて!あと、一応問題ないとは思うけど誰か斥候は南の森の様子見に行って!問題なさそうだったら報告があり次第南の森を開放するよ!忙しくなるから準備しとけよ!」
「「「「「アイアイ!マスター!」」」」」
統率取れてるな。マスターも優秀だしここのギルドはかなりの優良物件なのかもな。
「じゃ、行こうか!申し遅れたけど僕はここのギルドマスターをやってる、ジェス・ハミルトンだよ!以後よろしくね!」
「俺の名前はラック・ブレイドです。よろしくお願いします。」
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「さて、一応聞いておくけどラック君があのクソデカ狼を倒したってことで間違いないんだよね?」
「そうですね。俺が倒しましたよ。」
む、このお茶美味しいな。
「…一人で?」
「このキュランも一緒だったので二人ですかね?」 「キュ!」
「その子、君の召喚獣でしょ?なら書類上は一人で倒したことになるよ…。はぁ、本部になんて説明したら良いのやら。」
あの狼さん達はそんなに強い部類の奴らだったのだろうか。この世界の基準がよく分かってないんだよな。
「そんなにおかしいことなんですか?ソロ討伐っていうのは。」
「あのね?聖国内で聖都から一番遠い場所にあるんだよ?この街は。もちろん距離に比例して魔物も強くなるんだから、それに応じてこの街の冒険者も強くなる。その冒険者の中で一番強いパーティが倒せなかった魔物をソロで討伐って、国が知ったら絶対に囲い込みに動くだろうね。」
そう聞くとすごいことをした実感が湧くな。国に追われるのは御免被りたいが。
「でも、その格好からして教会の所属なのかな?教会にそんな強力な隠し駒がいたなんて聞いたことないけど…」
「教会とは商売敵の関係っすかね?」
むしろ、目と目が合ったらバトルし始める間柄だな。異宗教だし。
「君、よく聖国内でそんなこと言えるね!?誰か聞いてたら即首が飛ぶレベルだよ!」
「あの狼の首が飛ばせないんじゃ、俺の首飛ばすなんて不可能だと思いますけどね。」
「「HAHAHA!!!」」
「じゃないよ!何なんだ…発言が全部アウトなんだけど……。まぁいいや!おもしろいし!」
お!気が合うな!面白かったらなんでも良いよね!
「じゃ、問題なかったってことで俺はもう行きますね。」
「はーい!また遊びに来てね!」
「めちゃめちゃ我が家感覚だな!いやここギルドなんですけどね!?」
「細かいことは気にしないよ!」
「さっきまでは優秀っぽかったのになぁ…」
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街にある神殿を訪れると、今まで訪れた街にワープできるようになるらしい。寄付と称して1000ポト程むしり取ってくるが。
「転移先:ストロファスト:」
とりま、アグに報告しなきゃな。
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